みなさん、こんにちわ!!!
今回もひとりDX強化月間としてDX関連の本要約をしてきます!
これで4冊目です!
今回とりあげる本は内山悟志さんの「テクノロジーをもたない会社の攻めのDX」です。
内山さんはガートナーというイギリスのIT分野を中心とした世界的なコンサルティング企業の日本法人のアナリストです。
DX領域に関する書籍を数多く発刊されていて、日本のDX業界における第一人者です。
この本のおっしゃってることを一言で表現するなら、「DXやらないと本当にまずいよ!特に非IT企業」です。
まあ、本のタイトル通りなんですが、
「こりゃ、ほんとうにまずい!!」
そう思わせてくれる一冊です!!
この本を読んで学びのある方はこういう方です。
- 今、非IT企業に勤めているけど、「DXってなに?」状態の人
- 非IT企業に勤めていて、DX推進担当になった人
- 非IT企業の経営者の方
今回も例のごとく私が感銘を受けたポイントをいくつか紹介したいと思います!!
では、いってみましょう!!!
非IT企業こそDXを進めるべき理由
結論からお伝えすると、非IT企業をいいわけにDXを実現できないと、会社の生き死にに関係するためです。
なぜかというと、今後、デジタルを中心にしたビジネスモデルが成長すると見込まれているからです。
もうすこし具体的に言うと、消費者がデジタルを起点として、リアルでの行動をするようになるため、デジタルで消費者と接する機会を数多く持っていないとどんな企業も生き抜くことができない世界になります。
このあたりの価値観は「アフターデジタル」に書いてある世界観ですよね!!
アフターデジタルの世界はデジタルのスピード感でアナログの世界も対応していく必要がある世界です。
この世界観における成功・失敗事例として、
- アパレル業界初の1,000億円企業のレナウンがECへの販路拡大などのデジタル化が遅れて2020年5月15日経営破綻した件
- kodakがデジタルカメラの台頭によって、フィルムが消滅することがある程度予測できたにも関わらず、既存のフィルムを中心としたビジネスモデルから脱することができず経営破綻した話
- kodakのライバルだった富士フイルムはフィルムの技術を生かして、事業を多角化し、生き残りを果たした話
などが紹介されています!
また、アフターデジタルの世界ではデジタル企業が業界をボーダーレスに飛び越えて、いろいろな事業に参入してきます。
わかりやすい例でうと、GAFAみたいな巨大な企業は事業を多角化して、さまざまなビジネスに参入してきてますよね。
また、製品という切り口で見た場合でも、産業がボーダーレス化している流れを感じることが出来ます。
具他例はスマホです!
スマホが飲み込んているものいくつありますかね!?
カーナビ、電卓、懐中電灯、コンパス、時計、PC、テレビ、電話、ゲーム...etc
という感じで、あなたがもし非IT企業にいたとしたら、あなたの会社にもGAFAみたいな大企業なのか、新進気鋭のスタートアップなのかはわかりませんが、破壊的なボーダーレス企業が襲いかかってくるかもしれません!
そんな危機に備えるべく、DXを実現しておきましょうというのが本書の主張です!!
テクノロジーをもたない会社でもDXは成功できる!!
そのやり方として、本書では3つ紹介されています。
①先進テクノロジーにこだわる必要はない
DXというと、最新テクノロジーを使わなきゃならないと思われているかもしれませんが、それは間違いです。
DXは競争上の優位性を確立することが目的であり、データとデジタル技術を活用することはあくまでももその手段です。
最新のテクノロジーを使わずに、競争上の優位性を確立することが出来るならそれで全く問題ないです。
つまり、競争上の優位性を確立するかという目的が明確であれば、既存の技術を組み合わせたり、他社の協力を得たりすることでDXを実践できるというこです。
「まずは目的を明確にする」
「先進テクノロジーを必ずしも使わなくていい」
って認識を改めることで、非IT企業にとってはだいぶとっつきやすくなるんじゃないでしょうか。
②クラウドサービスを使い倒せ
非IT企業は自社でシステム開発や技術導入ができません。
他社に開発を依頼するにも莫大な費用がかかります。
サーバ代だって馬鹿になりません。
加えて、その開発したシステムが本当に使えるかすらも怪しいです。
しかし、今ではクラウドサービス(昔なら利用者が手元のコンピュータにダウンロードして、利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者にオンライン上で提供するものを活用すること)を使って非常に短い期間で大きなコストをかけずに類似のシステムを活用することが出来ます。
クラウドサービスの中にはAIやデータ分析など高度なソフトウェアもあったりします。
こういったクラウドサービスを活用したおすことが非IT企業のDX導入には不可欠になります!
③リーンスタートアップですすめよ!
起業家や企業が新規事業を始めるときの考え方のひとつとして、リーンスタートアップがります。
学習にフォーカスした事業開発とも言われ、事業の失敗率を下げるために仮説検証をひとつひとつ小さく始めて実証していき、改善しながらすすめていく手法を指します。
非IT企業のDXに関してもこの手法をとるべきと本書は主張しています。
先ほどのクラウドサービスを使い倒すというのもまさにリーンスタートアップという考え方になります。
失敗してもダメージが少なく、かつ、すぐに別の打ち手に切り替えることが出来るからです。
こういった形で知恵と工夫で小さくDXを始めて仮説検証を繰り返していき、実証結果がたまって、失敗率を下げることが出来たら自社開発に乗り出す。
非IT企業はそういったリーンスタートアップの考え方でDXを進めるべき、と本書は主張しています。
非IT企業にとってDXはなにを意味するのか
非IT企業にとって、DXが意味することを結論から申しますと、「デジタルをベースとした両利きの経営を始めて、継続しなければなりません!」と本書は言っています。
両利きの経営は、イノベーションを起こすために企業が知の「探索」(新規事業開発)と「深化」(既存事業の深掘り)の2つの方向性を同時に進める経営のことをいいます。
両利きの経営についてくわしくはコチラ
なぜかというと、
デジタル化により社会・経済の構造が大きく変化したり、
IT企業がデジタルを武器にアナログな業界に参入してきたり、
同業他社がDXすることで、事業優位性を奪おうとしてきたり、
デジタル化やDXによって社会や市場の変化、企業間同士の競争が激しくなることが予想されます。
こういう状態になると、いま取り組んでいる事業だけを深堀りしているだけの会社経営だと非常にリスクが高いです。
さきほどご紹介した百貨店での販売に固執したレナウンとか、フィルムのビジネスから脱却できないkodakがいい例ですよね!
変化と競争が激しい時代に既存事業の深堀りだけでは、乗り越えることが難しいことがわかるよい事例です。
こういった過去事例から学び、デジタルを活用して、今の既存事業をさらに深めて収益は最大化しつつ、DXを通して、
「新しいビジネスモデルを作れないか」
「業務改善ができないか」
を、絶えず実験を繰り返して模索していく。
そして、未来に迫る変化に対応できる準備を常に行っている状態を作り出すことが今を生きる企業に必要になります。
デジタル化や競合他社のDXという変化に対応するためには、自社も両利きの経営を実現して、積極的にDXを推進しなければなりません。
デジタルを経営に取り入れるには
この本も他の本と同じく、かいつまんで言うと、デジタルを経営に取り入れるには、役員含めて全社員一丸となってリテラシー高めてください的なことが書かれています。
とはいえ、ひとつおもしろかった点としてはデジタル時代に適合した組織カルチャーを要件を定義しているところです。
その数6つ!ひとこと解説と共にご紹介すると、
・DXの本質と変革の必要性への理解
⇒経営者を含む全員がDXの本質と変革の必要性を理解しよう!!
・創造的な活動の自由と支持
⇒新しい技術を調べる・試す・導入するの権限を委譲しよう!!
・ファクトに基づく意思決定
⇒全階層の社員が正しく意思決定ができるために、等しく情報が開示されている状態を作ろう!
・人材の多様性と組織のドライブ化への対応
⇒いろいろなスキル・働き方を許容して、優秀な人材が流入する組織にしよう!!
・個人の組織への貢献の可視化と正当な報奨
⇒多様な働き方、組織を運用できるような人事システムを構築しよう!!
・リスクの許容と失敗からの学習
⇒失敗に寛容になり、失敗から学ぼう!
という感じです。
で、この6つ要件をクリアするための施策として、5つこれまた定義してまして、
・意識
⇒全社員のデジタル感度の向上
→デジタル化の本質的な価値と無限に広がる可能性を正しく理解し、自ら興味を持って積極的に向き合う姿勢を醸成する。
・ 制度
⇒変革の促進と旧来制度の見直し
→働き方、業務管理、人事などに関する従来の制度で、変革を阻害する要因を取り除き、促進するモノを取り入れる。
・ 業務
⇒付加価値業務の量と質の向上
→オペレーション業務に費やしていた時間を短縮し、付加価値業務に振り向けるとともに、両方の業務のアウトプットを最大化する。
・ 意思決定
⇒意思決定の民主化と自動化
→大きな意思決定を民主化する仕組みと、日々の小さな意思決定を自動化する仕組みを構築する。
・ 人材
⇒個人の成果と貢献の見える化
→個人の目標とそれに対する成果や貢献を見える化し、それに見合った報酬を提供する。
と書かれています。
このへんの言語化が結構ありがたいですよね。
漠然とデジタルを取り組むとしてもどういうアプローチをしていいか不明なところ、多少抽象度が高いところはありますが、この項目を自社のスタイルに沿って考えていくというアクションプランが明確になります。
加えて、やはりこのレベルの施策を実施するには会社全体で各々がその役割をきっちり果たしていかないと、実現しないなとも思います。
そう思うと、DXは企業の総力戦的意味合いが強い取り組みだと感じています。
DX実現のために、当社も全員で一丸となって取り組んでいく必要があると改めて強く感じましたね!