こんにちわ。
本ブログの管理人のRRです。
本記事は鈴木義幸さんの著書「新 コーチングが人を活かす」を要約していきます。
こちらの本はコーチング領域では日本で最も有名な本のひとつです。
内容を一言で言い表すと、「コーチングテクニック辞典」です。
コーチングに関するスキルを、7つのテーマで62個に定義し、網羅されています。
全てのスキルに関する説明が端的でわかりやすいです。
特に、ポイントとイラスト図解がすべてのスキルの説明に入っているのが、理解を促進してくれます。
そんな「新 コーチングが人を活かす」から、管理人が重要と感じた部分を紹介したいと思います。
この記事で解決できる悩みは、
- コーチングってそもそもなに?
- コーチングに興味があるんだが、どんな内容なんだろう?
- マネジメント職になったばかりで部下にどう声をかけていいかわからない
- 部下がもっと発言するようになって欲しい
- スランプに陥ってるチームメンバーにどう声をかければいいかわからない
と感じている方に向けて書いた記事です。
では、いってみましょう!
コーチングとは相手の発見の促すこと
コーチングについて、まずは本質を理解することが重要です。
コーチングの本質は”未来を創り出す主体的な人材を創る”ことにあります。
引用 2020年6月 ディスカバー・トゥエンティワン 鈴木義幸 著「新 コーチングが人を活かす」
本書の通り、主体的な人材を創ることが前提にあります。
しかし、よくあるコーチングの誤解として、コーチがすでに答えを持っていて、その答えに誘導するような質問を投げかける場合があります。
これでは主体的な人材を創ることはできません。
これはコーチングではなく、ティーチングです。
本書でいうコーチングは、
コーチングは、あくまでも問いを2人の間におき、一緒に探索しながら、相手の発見をうながしていくというアプローチをとります。
引用 2020年6月 ディスカバー・トゥエンティワン 鈴木義幸 著「新 コーチングが人を活かす」
という定義です。
そこに上下の関係はなく、あくまで相手の伴走者であることがコーチングの本質です。
あなたの部下や顧客は、仕事をうまくいかせるための十分な情報を、自らの中に持っているかもしれません。誰かがそれを”発見する”ことを手伝わなければ、永遠に口にされることのない思いや考えが内側にあるかもしれません。探索の伴走者となってくれる人がひとりいるだけで、その人の人生はずっと力強いものになるでしょう。
引用 2020年6月 ディスカバー・トゥエンティワン 鈴木義幸 著「新 コーチングが人を活かす」
相手が、あまり話してくれない
初めてマネジメント職になったときの一発目の悩みがこれでした。
チームメンバーに対して、私ばかりが話して、相手があまり話してくれませんでした。
独演会状態で、「なんかひとりアツくなってるな~」と思う毎日。。。
メンバーの本音とか温度感があまりわかりませんでした。
そんなときに私が使った本書のテクニック3つがこちらです。
心のシャッターを上げる
相手が話してくれないのは、相手の心のシャッターが上がってないことに理由があります。
要するに心を開いていないということです。
なので、心を開いてもらう必要があります。
その方法としては、まずはあいさつです。
基本的なことですが、あいさつに気持ちを込めることで、相手のシャッターの上げ下げは変わります。
そして、あいさつを起点として、「私はあなたに興味関心があります」と伝わるように質問をします。
その質問に対して相手からひとつ答えを受け取ったら、受け取ったということをちゃんと相手に伝えます。
具体的には、
「そうなんだね」
「そんな風に考えていたんだね」
といった感じです。
そこから、さらに相手が自由に話ができるように、
「それで?」
「それから?」
と、相手が話しやすいように話を広げます。
相手が話す中に、気になる話があったら
「そのところ、もっと聞かせてくれよ」
と、また質問します。
こういった感じで丁寧に会話のキャッチボールをすることで、相手は認めてくれるようになります。
かくいう私は相手に質問を全くしていませんでした。
- 背中で見せれば感じてくれる
- 話せばわかる
みたいな、自分本位なコミュニケーションをしていました。
ただただ自分の理想とかこれまでやってきたことを、上からオラオラ話していたように思えます。
完全にイタいやつです。
そんなんじゃだれもついてきてくれませんよね。。。
今は、この本を読んで、できる限り実践することで昔よりは改善されてきているように思えます!
まだまだ修行中です!!
すぐに答えられる小さな質問をする。
大きい質問をする前に、まず小さくて必ず答えられる質問から始めるのがコーチングの基本です。
にもかかわらず、私は真逆のことをしていました。
まだ、コーチングを意識したばかりの頃、コーチングに対して漠然と
- 質問を投げかけまくる
- アツい話をする
- とにかく深掘りをする
といったイメージがありました。
そのせいかチームメンバーに前触れもなく、
「この部署でどういったことを成し遂げたい?」
「会社生活で大事にしていることは?」
みたいな質問を連発していました。
はっきり言って、「理念」とか「成し遂げたいこと」みたいな大きい質問をいきなりされるとうざいですよね。
まずは気軽にだれでも答えられるような小さな質問から始めるべきです。
この慣らし運転をしないと、自分本位で話を進めようとしているという印象を相手に持たれます。
そうなると相手は心を開いてくれません。
めちゃくちゃ基本的なことなんですけど、「マネジメント層になったぞ~」みたいに意気込んでる時にはついつい見落としがちです。
かくいう私も、なんかマネジメント層になったばかりのときは周りが見えなくなっていました。
そんなミスってる私を気づかせてくれたのがまさに本書でした。
大きい質問に答えるには、自分の意識を深く内側に入り込ませる必要があります。
それまで基本的には外に向いていた意識を、急に深い内側に入れるのは、ちょうど朝起きたばかりでまだ体が眠っているような状態のときに、いきなり牛丼を食べさせられるような不快感があります。
相手との間に深い親密感がなければなおさらです。
人は基本的に不快なことはなるべくしたくなわいけでですから、まずは相手の意識を”小さい質問”で慣らす必要があります。
上司であれば部下に、相手が抵抗感なく答えられる質問をいくつかします。
「昼飯、食べた?」
「子どもいくつになったんだっけ?」
「そのスーツいいね。どこで買ったの?」
意識を徐々に内側に入れていきます。
それからです。
”大きい質問”をしていいのは。
相手に多くの発見を促すにはまず”小さくて必ず答えられる質問”からしていく。
それが鉄則です。
引用 2020年6月 ディスカバー・トゥエンティワン 鈴木義幸 著「新 コーチングが人を活かす」
沈黙を効果的に活用する
沈黙に対して、みなさんどんな印象でしょうか?
私はもともとおしゃべりなので、沈黙があったらすぐに「まずい!なにか話さなきゃ!!」と思ってしまう派です。
が、この沈黙はコーチングにとってはとても必要な時間です。
なぜならコーチングは相手と一緒になって発見を探索する作業だからです。
発見を探索するには深く思考する必要があります。
なので、積極的に沈黙を作って、考える時間を持ってもらう必要があります。
なんなら、相手が沈黙に対して気まずいとか思わないように配慮する必要があります。
そのための魔法の一言として、
「好きなだけ時間を使ってゆっくり考えてください。それまで黙っていますから」
と伝えると、相手は沈黙への気まずさがなくなり、思考に集中することができるそうです。
これぞ、沈黙を有効活用する魔法のワードです。
私もたびたびチームメンバーとの1on1で使っています。
この言葉のおかげで1on1を安定的に有意義な時間にすることが出来ています。
相手がスランプに落ち込んでいる
チームメンバーの調子が落ちているとき、どうモチベートしてあげるかがマネジメント層として求められます。
マネジメント職駆け出しの頃は、今までモチベートなんてやったことも、考えたこともなかったのでどうモチベートしていいかわかりません。
本音で言うと、「勝手に調子落としてんじゃねえよ!!」とすら思っていました。
とはいえ、安定的になんかスランプに落ちる人ってチームに発生したりして。。。
「もうどうすればいいかわからん!!」となって、
わらをもすがる思いで本書と出会い、本書のスキルを活用させていただきました。
その中でも私が有用と思ったものを今回、ご紹介します。
”なぜ”のかわりに”なに”を使う
スランプに落ちている人はメンタル面で少しセンシティブになっています。
そのときに「なぜ?」で質問攻めすると、大概はうまくいきません。
なぜなら、「なぜ?」という言葉に相手を責めるニュアンスがどうしても入ってしまうからです。
だれかに「なぜ?」と言われた記憶を思い出してみて欲しいのですが、大抵の場合なにか悪いことをしたときに「なぜ?」と言われた記憶が浮かびませんか?
私は完全にあてはまります。
「なぜ?」という言葉をメンタル的にセンシティブなときに投げかけられると、ついつい相手は責められることを想定して、防衛態勢に入ります。
なので、相手がスランプに落ちているときは、というかコーチングのときは「なぜ?」を使うのはやめましょう!
代わりに「なにが○○にさせたんですか?」という形で、「なに?」から質問に入りましょう。
そうすることで相手の警戒も解け、話がしやすい雰囲気を作れます。
”きっと見つける”と相手を信頼する
スランプを抜け出すのは結局本人でしかありません。
本人自らが主体性を持って、スランプと向き合うことが必要です。
間違ってもコーチが答えを用意して、そこに誘導するようなことは避けるべきです。
そうやって乗り越えた”つもり”のスランプは再発すること間違いないです。
反対に、相手が自分で考えて、自らの発見で乗り越えたスランプは再発しにくいです。
なので、答えは必ず相手の中にあるという信頼を持ってとことん待ちましょう!
とことん伴走しましょう!
相手が「わからな~い」とうなっていても、じっと沈黙を守り、「きっと何かを探し当てる」と信じて待ちましょう!
心の中に埋もれる宝物を掘り起こす
ここでいう心の中の宝物とは、過去の成功体験です。
どんな人でも自分なりの成功体験をひとつやふたつ必ず持っています。
スランプに陥ってる人は、目の前で起きている問題に対応するのに必死です。
そのため、心の中にそういった成功体験があることを忘れ、完全に自分を見失っています。
まずは自分を取り戻すような声かけが必要です。
その方法として有効なのが、相手の過去の成功体験を掘り起こしてあげることです。
コーチングを通して、過去の成功体験が今によみがえらせることで、勇気と自信を持つことが出来ます。
「今まで仕事をしていて、いちばんうれしかったのはどんなとき?」
といった仕事の質問でもいいですし、
「学生時代にどんなこと取り組んでいた?なにが一番思い出に残っている?」
プライベートの質問でもいいです。
ポイントは相手の成功体験を、本人がそのとき見た、聞いた、感じたと同じレベルの臨場感で思い出してもらうことです。
かつ、コーチ自身もそのシーンを相手と一緒に体験している。
そのレベルまで興味と関心を持って質問を繰り返すことが重要です。
おわりに
いかがだったでしょうか?
本記事では、
- コーチングは、あくまでも問いを2人の間におき、一緒に探索しながら、相手の発見をうながしていくというアプローチをとる。そこに上下関係はない
- 相手が、あまり話してくれないときは、「心のシャッターを上げる」「すぐに答えられる小さな質問から入る」「沈黙を効果的に活用する」ことが重要
- スランプに陥っている人には「”なぜ”のかわりに”なに”を使う」「”きっと見つける”と相手を信頼する」「心の中に埋もれる宝物を掘り起こす」ことが重要
という話をしてきました。
本書はまだまだ学びの多いスキルがたくさん書いてありましたので、後編も近いうちにアップします!
本日は以上です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!