スキルを磨く マネジメント

組織の力学をありありと理解できる一冊 本要約「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ 」

本日は「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ  著:北野唯我(日本経済新聞出版) 」についてご紹介したいと思います!

この本は公開瞬く間に30万pvを超えた人気ブログ「凡人が、天才を殺すことがある理由。」が、物語となって書籍化されたものです。

天才を殺す凡人はどんな内容?

本のストーリーとしては、

スランプに陥った天才起業家を支えたいが、何も出来ない凡人サラリーマンの主人公に渋谷の忠犬ハチ公が突如メンターになって指導する

いった話です。

「夢を叶えるゾウ」みたいな設定ですね。

時間的2時間くらいで読めますので、ぜひみなさんにも買って読んでみて欲しいです!

この本について、一言で言うと

職場の人間関係をゲームのごとく分析できるようになる本

です!

この本の知識をあてはめると、とても楽しいので何度も何度も周囲を分析してしまいます!

そして、分析力が向上して、周囲からいろいろな情報を読み取れるようになります!

読み取った情報のおかげで自分の行動も変わって、職場の人間関係や仕事の生産性、創造性を大きく変化させることができます!

このようにとても示唆深く、自己啓発に役立つ本なので、ぜひみなさんに読んでいただきたい一冊です!!

天才・秀才・凡人の関係性

まずご紹介したいポイントはこの表です!

この表は人間が持つビジネスにおいて必要な才能を網羅的に示している表になります。

(結構、刺激的な内容ですよね!!)

この表の前提として、

  • 天才、秀才、凡人と0-100で表現するものではなく、グラデーションである。
  • だれしもが天才、秀才、凡人の才能を持っていて、先天的に持っているものもあれば、後天的に得ていくものでもある。
  • あらゆる事象に一様にあてはまるのではなく、時と場合や取り組むジャンルによっても現れ方が変わる。

としているので、この点はお忘れなく!!

「俺は凡人だ~。。。」と変に落ち込むことはありません。

安心してください、私も凡人of凡人。TOP OF 凡人です。

繰り返しですが、グラーデションですし、変動するモノです!

で、各能力の定義ですが、

<天才>

独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人

<秀才>

論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人

<凡人>

感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人

<スーパーエリート>

「高い創造性」と「論理性」を兼ね備えている。つまり、クリエイティブでロジックも強い。が共感性がなく、周囲がついて行けずに孤立することもある。

<病める天才>

天才と凡人の橋渡し的存在。

創造性と共感性を武器に持つ。

クリエイティブなだけでなく、それが世の中の人々の心をどう動かすか?インサイト(潜在的な欲求)に届くかどうか?まで、直感的に分かる。自分らしさを表現しつつも、顧客のニーズも汲み取れるサービスを作ることが出来る。ただし、物事を構造的に捉えられない、言語化が苦手のため他部署との調整や組織拡大、部下への権限移譲で失敗することが多い。

<最強の実務者>

秀才と凡人の橋渡し的存在。何をやってもうまくいく、ものすごく要領のいい人々。ロジックだけでなく人の気持ちも理解でき、結果的に人の気持ちを動かすことのできる、会社ではエースと呼ばれる。ただし、新しいことをやらせると既存のサービスの焼き直しになり、革新的なモノが生み出せないのが弱点。

<サイレントキラー>

秀才の一種。制度やシステム、ルールなどを使い、自ら直接手を下すことなく、組織の「創造性」や「共感性」を殺す存在。

<共感の神>

凡人の一種。あまりにも共感性が高く、誰が天才かを見極める人

といった定義づけが本書でなされています!

加えて、3大能力者の相関関係がこちらです。

この2つの表、とてもおもしろい表じゃないですか?

「自分はどうかな~?」と振り返ってみたり、職場内で共有してみて、「私はどう見えてます?」とフィードバックをもらってみてもいいかもしれません!

 

凡人よ!会社で新規事業開発をやれ!

私は会社の新規事業開発を担当する部署で働いています!

ベンチャー企業との協業を模索したり、社内からの新規事業のアイデアを募集しています!

が、全くうまくいきません笑

特に新規事業アイデアの社内コンペなんかは応募件数がなくて、廃止になりそうな勢いです!

この社内コンペの改善が私に課せられた使命です。

私は、この本を読んで「新規事業開発に凡人に必要!!」と思ったんですよね~!!

天才と秀才だけじゃバランスが悪い!!

社内だと天才・秀才が幅をきかせていて、こういうタイプが新規事業のコンペで勝ちそうな感じするじゃないですか!

けど、この2人だけじゃ駄目なんです!!

天才・秀才コンビだと、関係性のバランスがめっちゃ悪いんです。

天才が強すぎると周囲からの共感性が得られずうまくいかない。

秀才が強すぎると天才の創造性が奪われるし、天才への秀才の嫉妬でいずれ関係性もこじれやすくなります。

凡人能力のある人が1名入ることで3者のバランスがとれるようになるんです。

具体的な例を出しますと、新規事業開発が盛んなリクルート社の社内コンペで表彰されるアイデアを作ったチームの構成は平均何人だと思いますか?

ご担当者に聞いたんですが、答えは限りなく3人に近い数字らしいです!

(詳細は教えてもらえませんでしたが、3人に近い数字とRing事務局(リクルート社の新規事業開発の制度)ご担当者の方がおっしゃっていました!)

つまり天才と秀才、凡人の配分がバランスよくミックスされているチームが強いんだそうです!

たしかに思い返してみれば、私が人生最高と勝手に思っている無双ドラマの一つ「リッチマン、プアウーマン」もそんな感じですよね!

https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4389/

知らない方向けにかんたんに言うと、小栗旬とARATA演じる天才厨二病社長とNo.2の秀才コンビが率いるIT会社に、石原さとみ演じる凡人女子大生キャラが参画することで天才と秀才が大喧嘩しつつも結果なにもかもうまくいっちゃったって話です。

キラキラレベルがクリリンの太陽拳とほぼ同じ。まぶしさtoo muchな作品です。

つまり、凡人こそ新規事業を生み出す天才のアイデアを引き出し、秀才のしゃかりきなロジカル能力をも引き出す最も重要なラストピースなんです!!

そこの凡人のあなた!

もう次のアクションプランはわかりますよね!

凡人がやるべきアクション① 天才を探せ

まずは天才を探せです!

アイデアをゼロイチで考えられる天才を探しましょう!

いきなり秀才を探してもなにも始まりませんし、天才を見つけることにおいて特にプラスになることはなさそうです!

そう言うと、どうやって天才を見つけるんだよという話になりそうです。

ポイントは2つあります!!

意見が割れることを言う人を探す!

あなたの周りに埋もれている天才を発見する方法として、よく発言する内容に賛否が真っ二つに分かれやすい人を探しましょう!

それでていて、発言によって賛成派も否定派も熱量を帯びるような意見を言う人です!

特に賛成はの一部から熱狂的に支持されている人とかですね!

そういう人は既存の概念の枠組み入りきらない革新的アイデアを出している傾向があるということです。

革新部分が一部に賛成され、既存を脅かすので一部に否定される。

革新部分にエッジが効いていると、より賛成の熱量が増す。

こういったことを起こしがちな人!

未来の天才ですね!

で、ここは完全に私の意見ですが、見極めなければならないのは、

  • ただ単に逆張りして議論したい好戦的な秀才
  • 全否定されている天才ぶったナルシストタイプの凡人

ですね!

こういったタイプの人間はえてして天才と勘違いされやすいです。

タチが悪いと、あえて天才と思わせるようなブランディングをしています。

こういったタイプの人間に惑わされず、自然体で賛否を分けててしまうような人に注目してみましょう!

天才は辺境の地にいる傾向がある

イノベーション的なアイデアが起きにくい組織において、イノベーターはどちらかというと組織の辺境にいる傾向が強いと言われています。

これ、新規事業開発をテーマにした結構まじめな本でも度々いわれがちです。

わかりやすい文章を原文ママに紹介すると、

「企業内に残るイノベーター予備軍は、組織の辺境に生息していることがほとんどだ。エリートコースに入ったり、メイン事業のエースになってしまうと、社内の文脈にどっぷり浸からざるをえない。~中略~辺境にいると会社の文脈に縛られずに自由に新しいことを試したり、会社の文脈とは違う文脈との接点も出来やすい。デキる人材の中でもそれを知っている人は確信的に”変わった人”であるかのように自らブランディングして中央から距離をとる人もいる。」

「ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION 」著:佐宗 邦威

「うちの会社でいう辺境はどこだ~!!?」こんな視点を持って天才を探してみてはいかがでしょうか?

凡人がやるべきアクション② 共感の神になる

凡人のみなさん、「共感の神」になりましょう!!

共感の神とは、あまりにも共感性が高く、誰が天才かを見極める人のことを言います。

多くのイノベーションにおいて天才が能力を発揮できた裏側には常にこの「共感の神」という凡人が存在していたと言われています。

「共感の神」は人間関係の機微に敏感で、天才を心から理解し、サポートすることができる人です。

天才が周囲から理解されないのを察して、周囲とのコミュニケーシが断絶されないように動いたりします。

また、一番の相談相手にもなります。

「共感の神」がいることで天才は安心して創作に専念できるのです。

そんな「共感の神」の最大の武器は「自らの言葉」です。

世の中にあふれた体裁のとれた便利な言葉でなく、魂を揺さぶる自分の腹から出た言葉です。

言ってみれば感情重視の完全な主観的な言葉なんですが、この主観が天才の心に響くんです。

嘘がないからですね!

秀才が得意な客観性あふれる言葉はある種、嘘なんですね。

理解はしやすい、納得しやすいけど人間の根っこから出た言葉ではない。

それだと天才の感情にはささりにくいんです。

だから、凡人のみなさん!「自らの言葉」を磨き上げましょう!

そして、「共感の神」へと変貌して、天才を支える!

これ絶対的に必要な凡人の機能のひとつなんです!!

「俺は凡人だから関係ね~!」って思っているそこのあなた!!

今すぐ、天才を探して助けてあげてください!

凡人のアクションプラン③ 天才を使って社内コンペに参加しよう!

あなたが天才の能力をフル活用してあげて、スペシャルなアイデアを引き出してあげてください!

「凡人だから俺、なにもできね~!」とか言ってる場合じゃありません!

こんなおいしいチャンスはありません!

話を聞いてあげて、承認してあげて、あなたなりの言葉を伝えてあげて、天才を引き出してあげるんです!!

そうすることであなたにもチャンスがあります!

会社の将来を担う事業を作る未来をゲットして、社内のスターダムに一気にのしあがるというチャンスが!!

幸運を祈ります!!

おわりに

いかがだったでしょうか?

だいぶ、いろいろと脱線してしまいましたねwww

というものの、この本がそれくらい様々な気づきを与えてくれる本だからなんですよね~

本当に本当に超絶おすすめ!

読みやすく、重厚な内容の一作。

是非、本書を手に取ってあなたの人生を変える一冊にしてみてください!!

 

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