イシューって説明できますか?
みなさん、こんにちわ。
本ブログの管理人のRRです。
今回は安宅和人さんの「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」について要約していきます。
この本は令和のビジネスマン必見の一冊です。
どんな業界のビジネスマンでも一つ上のパフォーマンスをしたければ、必読の一冊だと私は思っています。
ちなみに、私は
- kindle
- ペーパー本
- オーディブル
という、3段構えで保有しています。
何度読んでも学びがある「学びの総合商社的な一冊」です。
あまりにも学びが多いので、本書は一冊単位で要約できる代物ではありません。
切り捨てられない学びが多すぎるので、章ごとに要約していこうと思います!!
一回目のテーマは
「問題を「解く」前に、まずイシューを「見極める」」
です。
では、いってみましょう!
イシューって説明できますか?
ビジネスマンであれば、「イシュー」という言葉を一度は聞いたことあるのではないでしょうか?
ビジネススクールや、みなさんの会社の人事部が主催するセミナーに参加すると確実に放り込まれてくる言葉だと思います。
なんとなく使って、理解している言葉ではないでしょうか。
ですが、みなさん!
イシューを説明してみてくれと言われたら、端的に説明できますでしょうか?
- 問題?
- 課題?
- 議題?
なんて思った方!!
まちがいではありませんが、すこし十分ではないかもしれません。
イシューとは、
本書によると、イシューとは、
a)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
b)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
この両方を満たすもの
引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
と、定義されています。
イシューを見極める
このイシューを正しく見極めることが、生産性のある仕事をするのに必須となります。
ここでいう「正しくイシューを見極める」とは、
「どんな問題に答えを出す必要があるか」という議論からはじめ、
「そのために何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していく。
引用:引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
となります。
なぜイシューを見極めることから始めるのか
- 「どんな問題に答えを出す必要があるのか」
- 「そのために何を明らかにする必要があるのか」
というイシューの見極めを始めてから取り組まないと、
- 目的意識場ブレてムダが発生する
- 行き詰まったときに立ち返れる場所すら見失う
といった状況に陥ります。
目的意識がブレてムダが発生する
「とりあえずやりながら考えよう!」
と、まず始めるのもたしかに行動力があっていいことです。
ただ、生産性は低くなりますよね。
「まず行動!!」といったスタイルだと、不必要な失敗もしてしまいます。
ムダを極力減らすためにも、
「何に答えを出すためのものなのか」
をまずは明確にしましょう。
行き詰まったときに立ち返れる場所すら見失う
職場で議論していて、
「あれ?これってそもそもなんのためにやってたんだっけ?」
って立ち返る経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。
また、立ち返ろうとして、その立ち返る場所に関してもメンバー同士でブレている。
そして、今度はその立ち返り場所についてまた議論を始める。
そんなカオスな経験、あるんじゃないでしょうか。
こういったカオスを避けるためにも、
「どんな問題に答えを出すためのものなのか」
をまずは明確にしましょう。
イシュー見極めのコツは仮説をたてること
イシューの見極めにおいて、多い過ちは、「テーマの整理」で終わることです。
- 「なんとなくこんな感じのことを決めよう」
- 「やってみないと、ここから先はまあわからないよね。。。」
といった粒度で終わらせてしまう人が多いんです。
これだと、さきほど紹介した
- 目的意識がブレてムダが発生する
- 行き詰まったときに立ち返れる場所を失う
といった状態に陥ります。
なので、強引でもいいです。
イシューに対して自分のスタンスを明確にしましょう。
そして、イシューに具体的仮説を落とし込むことが重要となります!!
たとえば、
「VR・ARの市場はどうなっているのか」
というのは設問レベルにすぎません。
そうではなく、
といった形で、イシューに対して自分の具体的仮説を用いて、一旦答えを出してみる。
そうすると、一旦出した答えが正しいか否かを検証する作業をどうすべきかが明確にとなります。
自然と、
「検証作業のために必要な分析・情報はなにか」
という視点を持つことができ、ムダな作業をしなくて済むようになります。
生産性を高める上で、仮説をたてることは絶対に欠かせない一手なんです。
仮説をたてるコツ
イシュー見極めのための仮説をたてるコツがあります。
それは、
- 「主語」と「述語」を明確に
- 「WHERE」「WHAT「HOW」を明確にする。
- 「比較表現を入れる」
の3点です。
「主語」と「述語」を明確に
言葉はシンプルであるほどわかりやすいです。
シンプルな言葉選びを徹底しつつも、主語を切り捨てないように気をつけましょう。
日本語は主語がなくても通じる言語なので、主語をわすれがちです。
主語の解釈を相手に委ねてしまうことで、チーム内に認識のズレが起きることはビジネスシーンあるあるです。
「WHERE」「WHAT「HOW」を明確にする。
多くの人がイシューの仮説を立てるときに、「WHY」を使ってしまいます。
「WHY」=「なぜか」という言葉を使っても、仮説を設定することはできません。
「なぜ」の答えを出しても、なにに白黒をつけるかが浮き彫りにならないのです。
なので、「WHY」はさけて、「WHERE」「WHAT「HOW」を明確にしましょう。
「比較表現を入れる」
対比を使うことで、なにに答えを出すべきかが明確になります。
自然と仮説が設定されるので、対比表現を意識して使うことはオススメです。
よいイシューの3条件
イシューの粒度をどこまで上げればよいイシューになるのか。
その目安として
- 本質的な選択肢になっている
- 深い仮説がある
- 答えを出せる
という3条件が上げられます。
①本質的な選択肢になっている
インパクトがあるイシューは、何らかの本質的な選択肢に関わっています。
「右なのか」「左なのか」というその結論によって大きく意味合いが変わるものでなければイシューとは言えない。
すなわち「本質的な選択肢=カギとなる質問」なのだ。
引用:引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
この内容を私なりに一言で表すと、
分岐点を見誤らないことが重要!
です。
たとえば、小売店舗の売上アップの施策を考えるとして、
その現場にいると、
- 「接客が悪いから接客を改めよう!」
- 「いやいや、そもそも店の雰囲気が悪いからデザインを一新しよう」
といった個別具体の議論からいきなり入るケースが多々あります。
そうではなくて、イシューとしている売上アップのための施策がどう構成されているかをまずは考えるべきです。
売上なら、その構成要素は「単価」×「販売数」です。
このイシューの構成要素になる分岐点を、まずはとらえて検討していくことが必要になります。
分岐点をとらえるには分解!
この分岐点の捉え方は細かく分解することに尽きます。
- 店舗の売上なら「単価」×「販売数」
- 集客なら「サービスが悪いのか」、「宣伝が悪いのか」
といった形で、イシューとして設定している言葉を分解していくと、分岐点は捉えやすくなります。
イシューはめまぐるしく変わる
イシューは「今、答えを出さなければならないこと」
引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
です。
なので、今この瞬間に向き合っている、テーマ、事業、会社、部署、人の状況によって変化します。
部長にとってはイシューでも、平社員にとってはイシューでないかもしれません。
さんざん検討してきたイシューでも、会社がそのイシューを一発で解決するような経営判断をするかもしれません。
たとえば、ある会社で「従業員に営業スキルをどう教育していくか」と検討していたとします。
検討している最中に、
「営業まるごと外注する」
と、経営層が判断した場合などはまさにそれです。
このように、イシューはめまぐるしく変化することを前提としておきましょう。
②深い仮説がある
仮説を深いものにするには、
- 常識を否定する
- 新しい構造で説明する
の2点がポイントです。
常識を否定する
仮説を深める簡単な方法は
「一般的に信じられていることを並べて、そのなかで否定できる、あるいは異なる視点で説明できるものがないかを考える」
ことだ。
引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
本書にはさらっと書いてありますが、これはかなり難しいと思います。
コツとしては、
”直感に反する”ことにアンテナを張っておく
です。
あなたが捉えかけている問題に関しては、業界の常識・慣習、暗黙知などの背景があります。
その背景知識を知ったときに感じた、直感的違和感があれば、そこが掘り下げポイントになります。
具体的なアクションプランとしては、専門家の意見を聞くことです。
そのときに自分の感情や認識がどう変わっていくかを注視しましょう。
新しい構造で説明する
人がなにかを理解するときは、2つ以上の異なる既知の情報に新しいつながりを発見したときです。
この理解のパターンについて、本書では以下の4つを体系立てて示してくれています。
〇共通性の発見
2つ以上のものに、何らかの共通なことが見えると、人はなにかを理解したと感じる。
〇関係性の発見
複数のことがらに関係があることがわかれば人は何かを理解したと感じやすい。
〇グルーピングの発見
なんらかのグループに分けられることを発見することで理解が促進される。
〇ルールの発見
普遍的な別の仕組み・関係性がわかると理解が深まる
引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
「新しい構造で説明」⇒「常識を否定」の順番
まずは新しい構造で説明できないかを検討することがおすすめです。
いきなり常識を否定する仮説を発見するのは難しいからです。
そのための具体的方法として、この4つのパターンで深掘りすることはおすすめです。
③答えを出せる
よいイシューの条件の3つめは
「答えを出せる」
です。
職場で議論しているとき、
- 「これは業界の問題だよね~」
- 「うちの部署だけではできる問題じゃない」
という着地になって、投下した時間の割になにも得られなかった。
このような経験、あるんじゃないでしょうか。
たとえ、問題を捉えたとしても、今の組織のやり方、技術だと答えを出せない問題というのは多いものです。
なので、まず、答えを出せる問題ばかりではないという認識を持ちましょう。
でなければ、解けるはずもない問題に、いたずらに時間を費やして時間を無駄にしてしまいます。
死角的なイシュー
とはいえ、価値あるイシューとは、この一見答えが出せないと思っている付近に眠っていることが多いです。
こういったイシューを死角的なイシューと本書では言っています。
誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手がつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見することだ。
世の中の人がなんと言おうと、自分だけがもつ視点で答えを出せる可能性がないか、そういう気持ちを常にもっておくべきだ。
引用:引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
この死角的なイシューを狙えると、インパクトのある良いイシューになります。
引用:引用:2010 英治出版 「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」著:安宅和人
※管理人が本書より再現
おわりに
いかがだったでしょうか?
本記事の要点としては、
- イシューとは、a)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題、b)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題、この両方を満たすものである。
- イシューに対して自分の具体的仮説を用いて、一旦答えを出してみる。そうすると、一旦出した答えが正しいか否かを検証する作業が必要となるため、次のアクションがとりやすい
- イシュー見極めのための仮説をたてるコツは、①「主語」と「述語」を明確に、②「WHERE」「WHAT「HOW」を明確にする、③「比較表現を入れる」の3点
- よいイシューの3条件は、①本質的な選択肢になっている、②深い仮説がある、③答えを出せるの3点
です。
正直いうと、本書はすべての内容がとても重要で、要約で切り捨てる部分がなかなかありません。
要約泣かせの一冊です。
何度何度も読んで、すべてを血肉にするくらいでいいのかもしれません。
ビジネスマン、必読の一冊です!
本ブログではひきつづき本書の内容を紹介していますので、よかったらまた見に来てください!
では、また!