テクノロジー

要約 世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線 著者:山本康正

日本人よ、目覚めよ!行動せよ!

みなさん、こんにちわ。

本ブログの管理人のRRです。

今回は山本康正さんの「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」について要約します。

管理人激推しの山本康正さんの著書です。

などなどを記事にしています。

ご興味ある方、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

タイトルにあるとおり、今回はテクノロジーとSDGsとESGの話です。

どんな内容になっているのか。

では、いってみましょう!

2050年を待ち受ける風景

今、地球環境がかなり危機に瀕しているのをみなさん、ご存知でしょうか?

世界各国の科学者でつくる国連の

「気候変動政府間パネル(ICPP)」

の報告書を基に、「2050年の世界の姿」を表すと、

  • 2050年夏。東京の最高気温は40度を超え、熱中症による死者は過去最悪の6500人に達したというニュースが流れてきた。
  • 近年、海水温の上昇と海水の酸性化によって沖縄のサンゴ礁の白化が進んだ。
  • 昔は「スーパー台風」と呼ばれていた特別な台風が今では当たり前のように日本に上陸するようになった。
  • スーパー台風のせいで農地や農作物がダメージを受け、食材の高騰が止まらない
  • パリの最高気温は50度を突破
  • 東南アジア諸国では、雨季の降水量が激減し、食料生産量が大幅に激減する
  • 貧困が拡大し、乳幼児の栄養不足、不衛星な環境下で蔓延する疫病、飢餓問題が深刻化している
  • AI兵器がテロ組織にも渡るようになり、一般市民を巻き込んだテロ攻撃が世界各地で起きるようになった
  • アメリカで地下水が枯渇した
  • 南極の氷が溶けて、太平洋の島々や世界中の湾岸都市が水没した
  • 気候難民と呼ばれる住む場所を失った人々が、移住先で元々の住民たちとの間で軋轢を生んでいる

一部抜粋:2021.8 祥伝社 「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」著:山本康正

といった世界になっている可能性があるそうです。

2050年に待ち受ける風景を避けるために

このままだと、人類の生活が脅かされる未来が待ち受けているんです。

この状況を回避するにはどうすればいいか?

今、世界は頭を抱えています。

この状況は、

一国だけ、一社だけではなく、すべての国と企業が団結しなければならない危機的な段階にまで来ているからなのです。

全員がステークホルダーであり、利害関係者として、社会全体の公益を考えなければいけません。

引用:2021.8 祥伝社 「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」著:山本康正

といった具合に、個人個人の意識レベルの改善では、解決できません。

仕組みとして、世界各国が共通の理念のもと、アクションを変えていく必要があります。

SDGs(持続可能な開発目標)、ESG

そんな世界各国共通の理念として、今、掲げられているのが

ESG投資、SDGs(持続可能な開発目標)という考え方です。

SDGsとは、

持続可能な開発目標(じぞくかのうなかいはつもくひょう、英語: Sustainable Development Goals、略称:SDGs(エスディージーズ))は、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなる持続可能な開発のための国際的な開発目標。

持続可能な開発のために必要不可欠な、向こう15年間の新たな行動計画として「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が2015年9月25日の国連総会で採択された。この中で、持続可能な開発目標 (SDGs) として17の世界的目標と169の達成基準が示された。

引用:wikipediaより

 

ESGとは、

企業の価値を測る際の新たな指標を意味します。従来の投資のような売上高や利益のみを重視するのではなく、顧客や取引先、従業員、地域などのステークホルダーにも目を向け、環境・社会・企業統治(ガバナンス)の3つの観点から複合的に捉えて企業価値を向上させていくという考え方

引用:2021.8 祥伝社 「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」著:山本康正

この2つの言葉は人類にとって危機的な世界環境をさけるために、人類が考え出したキーワードです。

ESGを意識した企業経営、投資を行うことで、SDGsの達成につなげようと世界的に動き出しています。

日本ではまだ、意識の高いビジネスマンしか捉えていないこの2つのキーワードですが、世界的には浸透しています。

世界では、すでにESGに基づく経営をしていない会社は、投資家から出資を断られることがスタンダードになりつつあります。

”脱成長”でなく、テクノロジーの力を借りながら成長していく

今、日本では「脱成長」の思想がブームになりつつあります。

グローバルな資本主義資本主義が、格差社会や環境破壊を生んでいることへの批判から来ていると推測されます。

追いつけないくらいの変化を助長するテクノロジーへの反発も、そこには含まれています。

そんな矢先にコロナウイルスで余計に心が疲弊することになった。

心が疲弊した人々が、

  • 「もうがんばらなくていいや」
  • 「これ以上、人類が成長を続けると、環境をますます破壊してしまうしさ」
  • 「今のままで充分幸せだよな」

と、なってしまうのもわからなくありません。

 

ですが、世界は違います。

各国がSDGsという目標をもとに成長しながら、テクノロジーの力を借りて未来を変えようとしています。

このままだと、成長をやめない世界に、「脱成長」を掲げた日本が取り残されてしまう可能性があります。

日本も急いで、SDGsESGを積極的に取り入れるべきです。

世界と目線を合わせ、最新のテクノロジーを活用して、未来へアプローチする必要があります。

「脱成長」は思考停止と紙一重です。

各国が連帯し、最新のテクノロジーを味方につけて変革を起こし、成長を続けながらSDGsに向き合っていく。

それを横目に見ながら日本だけがスローダウンして内向きに縮小していく。

そんな日本の未来に、一体どのような希望を見いだせるというのでしょうか。

引用:2021.8 祥伝社 「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」著:山本康正

今、注目を浴びている2030年の世界を救うテクノロジー

危機的未来を回避するためには、個人個人の小さな努力だけでもはや解決出来ません。

根本的に今までと違うアプローチが必要です。

そのソリューションの考え方としては、やはり最新のテクノロジーがカギを握っています。

ESG投資家も、最新テクノロジーの導入にチャレンジしている企業に積極的に投資をしています。

ここで、本書で紹介されている社会的課題と最新のテクノロジーを2つご紹介いたします。

食糧不足×フードテック

問題① 飢餓問題・未来の食糧不足・タンパク質危機

国連の報告書によると、2050年には世界の人口は97億人に達すると予想されています。

今の人口が約78億人なので、今後30年で20%以上もの増加となる見込みです。

この人口増加に対して、供給する食料をどう確保するかが課題になっています。

特に課題として、根深いのが、「一定の所得を得ている中間層」の人口分母が、世界的に増えることになります。

中間層が増えるとどうなるかというと、肉や牛乳の消費が増える傾向にあります。

肉や牛乳を使った料理、おいしいものが多いですよね。

それを人類は中間層になると、欲するようになるんです。

  • ハンバーガー
  • ステーキ
  • ハンバーグ
  • カフェラテ
  • ケーキ
  • バター
  • チーズ
  • ヨーグルト

などなど。

これらのものを多くの人が日頃から食べるようになります。

そうなると、現在の家畜の生産量では供給が追いつかなくなるんです。

畜産業は動物にも地球にも優しくない

「家畜の生産量が足りないなら、増やせばいいじゃん」

と、思うかも知れません。

しかし、それが簡単にはできないんです。

畜産業は、動物にも地球にも優しくない産業だからです。

そもそも動物を劣悪な環境で育てて、殺して食べるという行為自体に嫌悪感を抱く人も多いです。

けして、動物に優しいとは言えないビジネスです。

また、畜産業は環境を破壊します。

牛の放牧のために森林を伐採し、水を大量に使うからです。

牛が食べる餌の生産・その輸送・食べた後の糞尿処理の過程でも二酸化炭素が排出されます。

加えて、衝撃的な話なのですが、牛のゲップやおならから、毎年20億トン(二酸化炭素換算)のメタンガスが放出されているそうです。

メタンガスは地球温暖化の原因となる物質のひとつです。

人類が肉を食べようとすればするほど、畜産業がさらに拡大し、地球温暖化の一助になってしまうことを認識しなければなりません。

解決策となりえる最新テクノロジー:代替肉

こういった食料不足、タンパク質不足からくる地球環境の破壊への解決策として、新しいテクノロジーが生まれています。

それが、代替肉です。

  • 急激な人口(特に中間層)増加へ新たな一手が必要
  • 動物を殺して食べるという行為に対する嫌悪感
  • 畜産業が地球温暖化の一助になっている

という考え方から、代替肉が市場に歓迎されています。

 

代替肉とは、鶏・豚・牛などの動物の肉を一切使わずに肉の食感や風味を再現して作られた食品を指します。

代替肉には大きく分けて2種類あり、

  1. 植物由来の原材料を加工して作られるもの
  2. 家畜の細胞の一部を取り出して培養し、バイオテクノロジーによって肉の味や食感を再現するもの

があります。

代替肉市場のプレイヤーたち

代替肉マーケットのニーズをいち早く掴んだのが、アメリカのベンチャー企業ビヨンドミートインポッシブルフーズです。

彼らはアメリカ人の国民食ともいえるハンバーガーを代替肉で再現し、大ヒットしました。

代替肉市場は現在、とても活況です。

アメリカ以外にも、

  • ガーディアン(カナダ)
  • ナチューリ(デンマーク)
  • モサミート(オランダ)
  • ミーダブル(オランダ)
  • スーパーミート(イスラエル)
  • オムニパーク(香港)
  • ネクストミーツ(日本)

など数多くのプレイヤーがしのぎを削っています。

資金調達も熱を帯びる

米農業ベンチャーキャピタル(VC)、Agファンダーが発表した20年のフードテック企業の資金調達額ランキングでは、

  • 1位 米国が132億ドル ※約1兆4,000万円
  • 2位 中国が48億ドル ※約5,000億円
  • 3位 インド(18億ドル) ※約2,000億円
  • 4位 英国(11億ドル) ※約1,200億円
  • 5位 フランス(6.6億ドル) ※約700億円

と、市場が大きくなりつつあります。

食のあり方ををテクノロジーで刷新しようという動きが各国で広まっているようです。

日本は代替肉市場では出遅れ

代替肉市場において、日本はだいぶ出遅れています。

ランキングとしては、世界で13位。

なかなか出遅れ感のある位置づけです。

背景として、

  • そもそもの日本におけるベンチャー企業投資額の分母に差がある
  • 消費者意識に、ビーガンやベジタリアンなど健康志向で代替肉を選ぶ消費者が少ない

といった事情から代替肉関連企業の資金調達が出遅れていて、結果、日本市場の伸びもいまひとつになっているそうです。

日本発のネクストミーツ

そんな日本市場で唯一、孤軍奮闘しているのが、ネクストミーツです。

ネクストミーツは、

  • NEXT焼肉
  • NEXT牛丼
  • NEXTチキン

などこれまで数多くの代替肉商品をプロデュースして注目を浴びています。

また、次なる展開として、

  • NEXT EGG

にも挑戦しています。

日本を代表して代替肉市場で息巻いているネクストミーツには今後も注目です。

気候変動×クリーンテック

冒頭にも述べたとおり、気候変動により人類の生活が脅かされるようになってきています。

その原因となる温室効果ガス排出量を減らす取り組みとして、一丁目一番地に挙げられているのが、自動車です。

この自動車次世代の自動車へどうアップデートしていくか、についてご紹介します。

EVか水素カーか

ガソリンで動く自動車は環境負荷の要因となるため、今後ゼロになるか、限りなくゼロに近い形で減少していく流れにあります。

その代わりとなるのが、EV(電気自動車)水素カーになると推測されています。

むしろ、

「EVか水素カーか」

という議論をしているのは国は、日本を筆頭にごく小数で、世界的にはEV(電気自動車)を推していく流れにはなっています。

アメリカのテスラモーターズや

テスラモーターズに挑戦する中国のEV3兄弟の

  • 上海蔚来汽車(NIO)
  • 小鵬汽車(Xpeng)
  • 理想汽車(Li Auto

などバラエティ豊かなプレイヤーたちがしのぎを削っています。

日本が世界を先行する水素カー

日本の誇り、トヨタが水素カーを推しています。

化石燃料を燃やさず、クリーンで地球上に豊富に存在している水素がエネルギー源なので、次世代のクリーンエネルギーとして位置づけられています。

日本政府も2017年に水素基本戦略を策定するほど熱の入れようです。

 

トヨタは既にMIRAIという水素カーを販売しているので、トヨタがEVではなく、水素カー推しなことを、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

一方で、

「え、すでに販売しているの?」

と、思った方も多いのではないでしょうか。

なぜ水素カーは普及しないのか

水素カーはEVよりも二酸化炭素を出さないため、環境に優しく、それでいてEVのように充電の時間もかかりません。

一見、水素カーの方が市場ウケが良さそうですが、現在あまり浸透していません。

なぜなのでしょうか。

結論からお伝えすると、

水素エネルギーの水素ステーションの数が少ないから

です。

充電スポットが少ないと不便極まりないですよね。

なぜ、少ないかというと、充電ステーションが設置コストが高すぎることが原因です。

EV(電気自動車)の充電スポットを作ろうとすると、数千万円で作れるそうです。

一方で、水素ステーションは、数億円とのことで、桁がひとつ違います。

このあたりのコストが水素カー供給への足かせになっています。

ガラケーと同じ末路を辿らないように。。。

2008年にiPhoneが日本に上陸した当初、

  • 「iモードで充分」
  • 「日本では流行らない」

とバカにしていた日本のプレイヤーたちですが、一瞬でiPhoneに市場をかっさらわれてしまいました。

iPhoneの持つ本質的な価値に気づけなかったのです。

結果、スマートフォンの開発に後れを取って、そのほとんどが淘汰されてしまいました。

 

これと同じことが自動車で起きないか非常に心配です。

トヨタは、エンジン開発技術に誇りを持っています。

高いエンジン開発技術のスキルを求められる水素カーを、市場に普及レベルまで押し上げられる会社は世界的に見てもトヨタだと思われます。

が、そうこう開発しているうちに、EV(電気自動車)が世界的にシェアを伸ばし、あれよあれよと浸透していった場合、いくら高性能の水素カーを開発しても勝負は決してしまいます。

 

最近では、中国の自動車メーカー上汽通用五菱汽車

宏光ミニという小型EV車を、本体価格がなんと約46万円で販売し始めています。

 

テスラも2023年までに大衆向け低価格帯モデルを市場投入するとも宣言しています。

 

このようにEV(電気自動車)がまもなく市場に浸透する様相を呈しています。

世界的EVシフトの流れをトヨタが水素カーでどう崩していくのか。

トヨタの水素カーがこういった世界的な流れを打破して、負けずに水素カーを市場へ浸透することを、日本人としては強く願うばかりです。

日本人よ、行動せよ!!

今、ご紹介してきたテクノロジーの具体例からもわかると思うのですが、日本はSDGs、ESGの文脈において、かなり出遅れています。

世界の流れから取り残されています。

この現状は日本人として、理解しておかなければなりません。

そして、ひとりひとりがこの現状を課題として捉え、行動を変える必要があります。

 

本書に、

若い世代のビジネスバーソンや学生の方々には、最先端テクノロジーを活用したつながりを活かしつつも、それとは別に社会課題を自分自身の目で見て、触れて、実感する経験もぜひ積んでほしいと思っています。

中略

飛行機なら約7時間で着く国で、恐ろしい事態が現実に起きている。その不条理さ、愕然とするギャップを、実感を持って知ることは、ESG問題に自分を引き寄せて理解していくためには重要です。

引用:2021.8 祥伝社 「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」著:山本康正

といった文章があります。

非常に学びの多い言葉だなと個人的に感じています。

麻生要一さんの「新規事業の実践論」という著書にも、起業家として、「現場と本場を体感せよ」という言葉があります。

世界の社会課題の情報は、ググれば出てきます。

これだけなら多くの人ができることです。

 

ですが、社会課題の「現場と本場」で体感することで、自分ごととして捉えられるようになります。

社会課題が自分にとって切迫感のある課題に変わるんです。

そうなると、その後の行動のスピード・質が、「現場と本場」を体感していない人と比べて圧倒的に向上します。

 

これからの時代は、最新テクノロジーを勉強するのは当然やることとして、社会課題を「現場と本場」で体感して、きちんと自分ごとにすることが重要です。

実際にESG、SDGsを言葉としてただ、知っているだけでなく、自分ごととして捉えなければならないからです。

地球環境に貢献できる人材になるためにも、実践すべき内容だと私は本書から学びました。

おわりに

いかがだったでしょうか?

本記事では、山本康正さんの「世界を変える5つのテクノロジー ーSDGs、ESGの最前線」の要約として、

  • 2050年に訪れる未来は人類の生活を脅かすレベルで環境破壊が進んでいる
  • 危機的未来を回避するべく、世界的にSDGs、ESGをキーワードとして、テクノロジーの力を借りながら「成長」と「社会課題解決」の両方を実現しようとしている
  • 日本は資本主義や最新のテクノロジーへの批判的態度として「脱成長」といった思想が流行しており、SDGsやESGといった目線を持つ世界と視点が合っていない。
  • 食料不足や気候変動などを解決するテクノロジーの開発競争においても日本は遅れをとっている。
  • 多くの日本人が社会的課題を自分ごととして捉えるためにも、社会課題に直接触れることが必要

という内容でまとめてきました。

世界的な社会課題に書籍を通して触れることで、自分の行動や意識を変えるきっかけを与えてくれる一冊になります。

ご興味が湧いた方、ぜひ、本書を手にとってみてはいかがでしょうか?

本日は以上です。

では、また!

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