デザイン

(要約)超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす 著:三浦崇宏

こんにちわ。

本ブログの管理人のRRです。

今回は三浦崇宏さんの「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」を要約していきます!

この本の内容を一言でいうと、「令和時代のクリエイティブを再定義」です。

三浦崇宏さんといえば博報堂から独立されて株式株式GOを設立し、その代表を勤めていらっしゃいます。

時にはNewsPicksの論客として、また、出前館のCMをプロデュースされたことでも有名です。

そんな三浦崇宏さんの著書から管理人的ささりポイントをお伝えしたいと思います!

はじめに

管理人としては、

  • 現代のクリエイティブの定義
  • クリエイティブな能力を発揮するには価値の「生産」と「発見」をすべし
  • 「生産」と「発見」のもととなるコアアイデアを捉えるべし

という3点がこの本の最も重要なポイントと感じています。

ですので、その部分を中心に要約していきます!!

本記事は下のような人のために書いています。

  • 仕事のアウトプットで周囲に差をつけたい方
  • 営業職・現場職だったのに、人事異動でクリエイティブ求められる職場、環境に突如放り込まれた方
  • クリエイティブなことに全く向き合ってこなかったが、気になっているが、なにから取り組んでいいかわからない方

みなさんにとってのなにかしらの学びになれば幸いです。

では、いってみましょう!

クリエイティブとはなにか

本書では、クリエイティブとは、

「非連続な成長を促し、新たな価値を生み出す多面的な思考法。価値の生産と価値の発見の2つのレイヤーからなる。」

クリエイティブの本質として、

「ただ独創性があるだけではない、ただ既存の価値を拡大するのではない社会の中で驚きをともなった新しい価値を生み出すこと。」

と定義しています。

突き抜けるにはクリエイティブな力が必要になる時代

三浦さんは現代を2つの意味で捉えています。

コモディティ化とVUCAです。

コモディティ化はあらゆるサービスの機能に差がつかない時代になっていること。

VUCAはテクノロジーや地球環境の影響で変化が激しい時代になっていること。

という意味です。

※詳しく知りたい方はリンクをクリックしてみてください!

こういった時代における対策として、

  • コモディティ化時代により、機能で差がつかないなら「思想を体現」する。それが例え非効率なことでも思想を体現することで、人々が思想に共鳴してついてくるようにする
  • VUCAにより、ひとつの流れが長続きしない、変化の激しい非連続な成長の時代には「論理」だけで考えようとしない。予測不可能だと理解しつつも先んじで自ら変化し、社会変化のきっかけを作る

ということが必要になると本書では主張されています。

そして、この2点を兼ね備えるものこそ、クリエイティブである。

クリエイティブを学び、伸ばすことが、企業においても個人においても今後は必要であると書かれています。

このご指摘に関しては、管理人は完全に腹落ちしました。

現代はどこもかしこも似たりよったりのサービスがあふれまくってます。

いろんな業界でドカーンと革命が起こってプレイヤーが変わったと思ったら、その革命が起こった世界にもすぐにコモディティ化が起こります。

どんどん入れ代わり立ち代わり、プレイヤーがなだれ込んで均質化するからです。

こういったことがたくさん起きてますよね。

例えば、動画配信サービスがまさにそうです。

映像レンタルサービスにドカーンと革命を起こして、ネットフリックスやらアマゾンプライムが動画配信事業者として出てきました。

「スマホで映画やコンテンツを自由に持ち運べて、いつでもどこでも見られようにすると超楽しいよね」

っていう新しい価値を生み出しました。

ここで、レンタル事業者と差が出たんですが、すぐにHulu、U-NEXTといったほぼ同じ機能レベルでコンテンツを提供してくる動画配信事業者も出てきます。

そして、ここにさらにディズニープラスがなだれ込んで来ています。

金額や視聴体験といった機能的にはもうどれを選んでいいかわかりません。

まさにコモディティ化です!!

そうして、差を作ろうとして、各社オリジナルコンテンツというクリエイティブな部分で勝負しています。

動画配信業界はコモディティ化とVUCAの時代に、クリエイティブが差を作るわかりやすい例だなと個人的には感じています。

「生産」と「発見」で新しい価値を作る

では、どうやってクリエイティブ能力を活かして、コモディティ化とVUCAの時代に対応するのか。

このあたりもう少し解像度をあげて本書は伝えてくれています!

本書ではクリエイティブに2つのレイヤーがあるとしています。

価値の「生産」と「発見」です。

  • 価値の「生産」は全くゼロの状態から新しい価値を何か作り出すこと。
    (具体例)今まで世の中になかったコンテンツ、商品、プロダクト、事業なと
  • 価値の「発見」は既存の文脈にとらわれず、別の視点から新たな価値づけ、コンセプトを生むこと。
    (具体例)ブランディングとかマーケティング的な視点で商品を再定義することなど

この価値の「生産」と「発見」の思考法をあらゆるビジネスパーソンが磨くべきだと背中を押してくれます。

なぜなら基本的な価値はみんながすでに気づいている時代だからです。

もっと早い車、燃費のいい車を開発しようと考えている人はたくさんいます。

この「もっと早い車」「もっと燃費」のいい車の価値はすでに多くの人が必要だよね~と気づいています。

必要なものを単に必要というだけはクリエイティブではありません。

仮にそこで少し抜け出してもすぐにコモディティ化したり、突然の変化を迫られたりします。

なので、価値の「生産」と「発見」です。

みんなが知っている価値を深掘りするのではなく、新しいルールを作ったり、解釈を見つけることを意識する。

そうすることで、既存のマーケットの奪い合いではなく、新しい市場が生まれたり、市場を横断してシェアを奪うサービスが生まれたりします。

ここにクリエイティブの役割があります。

新たな価値はコアアイデアを生み出すことで生まれる

本書では価値の「生産」と「発見」、どちらのレイヤーにおいても、新たな価値はコアアイデアから生まれるとしています。

コアアイデアとは、

「社会の現状を一発でひっくりかえるような<変化の触媒となる>考え方で、ものごとの本質を見抜いたうえで、最短距離で急所を突くような思考が必要になるもの」

と定義しています。

このコアアイデアを考え出すのに必要なポイントが、「本質発見力×世界の複数性への理解」となります。

本質発見力

本質発見力は要するに言語化能力のことを指しています。

「これってこういうことですよね??」と世の中での大きな意味に置き換える力。

望ましい変化の方向へ翻訳する力。

いかに解像度高く的確に本質を見抜いて、言語化できるか否かが勝負となります。

そのために、価値を言語化してブレストしまくる。

ブレストで集まった価値を、ユーザー目線で何が本質かを見極める。

このとき見極めるときの感覚を「迎えにいく」と表現されています。

このとき徹底して考え抜いてきた価値の発見をいったん置いておいて、完全に一般ユーザー側の気持ちにたってみます。現在、そして未来のユーザーの立場から、これだったら奇異なる名、気持ちが惹かれるな、わくわくするなという価値を「迎えに行く」のです。
(「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」より引用)

この表現、おもしろいですよね。

抽象的かつ感覚的ではありますが、とても納得感のある言葉です。

本当に最後のところで、この感覚が本質を捉えられるか否かを分けるのだろうなと感じました。

「社会」「未来」「人生」3つのベクトルで変換して本質発見力を高める

「これってこういうことですよね??」という本質の発見をするときのコツも本書は紹介してくれています。

以下の3点です!

  1. 社会に対してどんな意味があるのか
  2. 未来で広がったらどうなるか
  3. 自分にとって、あるいは熱狂しているユーザーの人生にとってどんな意味があるか

私の解釈で言うと、

  1. ユーザー目線をあえて脇に置く。そうすることで対象を俯瞰して見ることができる。
  2. 時間軸を先に延ばして、それが普及したらどんな世界が待っているかを考える。対象の変化がイメージできる。
  3. 自分自身、ユーザー自身の気持ちになって極私的な視点で考える。対象の意味と関係性を理解できる。

と理解しています。

このあたりのハウツーをここまでわかりやすく具体的に落とし込んでくれている本は他にはないと思います。

この部分は個人的にはこの本の一番深い学びと思っています。

世界の複数性への理解

本質発見力で引き出した本質を、世界の複数性を前提に多面的に、かつ解像度高く読み取ることがコアアイデアを捉えるのに必要となります。

ここでいう世界の複数性とは、自分の実感とは違う世界・ルールが無数にあるということです。

こういったルールを直接見ることができなくても、想像し、気づくことが出来る能力をクリエイティビティの正体としています。

そんな世界の複数性を踏まえた「多面的な思考力」を持たないと、多くの人の心に響くもの、あるいは社会にとって真に有益な価値は生み出せません。特にコピーライターは職業的にこの多視点を大切にしています。

・今、自分が生きている実感のある現実とは違う世界が無数に広がっている。

・自分が生きているルールだけではない別のルールが世界には無数にある。

・その世界の変化や集合無意識は確実に互いの人生に影響を与えている。

直接見ることができなくても、世界の複数性を理解し、肌感覚で感じ続けることがクリエイティブな行為には絶対に必要不可欠です。

(「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」より引用)

世界の複数性を多面的に解像度高く読み取るにはどうすればいいか

この問いに対して、本書では2つのアクションプランを提示していくれています。

自分の価値観を揺さぶられる人生経験をできるだけ多く積む

感情を揺さぶられる体験を多くしている人は人の心を動かすモノはなにかを捉えやすくなります。

特に周囲に否定されるといった挫折経験がある人は、自分と他者との間に溝があることを理解しているため、複数の視点があることを理解している傾向があるようです。

日頃から自分の感情や価値観が揺さぶられる体験がどこにあるかをアンテナ張って、発見したら、積極的に体験しに行く行動力が必要になりそうです。

他者に深く寄り添って、傷ついたり喜びを感じたりした経験の多い人は、それだけで「人の心が動かすものは何か」というクリエイターに必要不可欠なセンスが磨かれています。

センスとは経験値からくる咄嗟の判断力です。

(「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」より引用)

挫折経験もまた、感情記憶の幅を広げ、世界の複数性を肌身に感じて多面的なものの見方が体に刻まれる機会となります。自分がものすごく努力や工夫をしても、人生は思い通りにいかないことがある。絶対に面白いと思って全力を尽くしても、別の論理で動いている人から全否定されることもある。

否定される悔しさを知る人は、世界の複数性を、すなわち自分と、無数にいる他者とのあいだにある深い溝を体で知っています。

(「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」より引用)

圧倒的な量のコンテンツにふれる

他人の作品という世界観に触れることで、世界の複数性、自分一人じゃ見えなかったルールが自分にストックされていきます。

たしかに子どもの頃に読んだ漫画の主人公の世界観とかが今の自分の人生ルールに生きていることあったりしませんかね?

私は結構あります。

スラムダンクの安西先生の「あきらめたら、そこで試合終了ですよ。」

とか、まさにそうです!

これもひとりじゃ、見えなかった、他人のコンテンツで得た人生のルールです。

こういったものを日々、触れてコツコツとストックしていく必要がありますよね。

いそがしさにかまけて、仕事ばかりしているとコンテンツに触れる時間をなくしてしまうので、日々意識して時間を作りたいモノです。

センスは才能というよりは、経験の積み重ねからくる身体的な判断なので、訓練でみにつきます。

(「超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす」より引用)

おわりに

いかがだったでしょうか?

本記事では、

  • クリエイティブとは、非連続な成長を促し、新たな価値を生み出す多面的な思考法。価値の生産と価値の発見の2つのレイヤーからなる。
  • 価値の「生産」は全くゼロの状態から新しい価値を何か作り出すこと、価値の「発見」は既存の文脈にとらわれず、別の視点から新たな価値づけ、コンセプトを生むことである。
  • コアアイデアとは、社会の現状を一発でひっくりかえるような<変化の触媒となる>考え方で、ものごとの本質を見抜いたうえで、最短距離で急所を突くような思考が必要になるものである。
  • コアアイデアを考え出すのに必要なポイントが、「要するにこういうことだよね」っていう本質発見力と、「自分以外の価値観やルールの存在を認知している」という世界の複数性への理解の掛け算で生まれる。

という話をしてきました。

今までクリエイティブに触れてこなかった方も、これからはクリエイティブが求められる時代になります。

また、求められなくとも周囲との違いを出すのに、このクリエイティブな力というのはどんな仕事にも応用が利く特殊能力です。

特殊能力とはいえ、本書で書かれていることを実践すれば獲得も夢ではない能力だと思わせてくれます。

本記事で興味が湧いた方がいらっしゃったらぜひ、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか?

-デザイン