こんにちわ。
本ブログの管理人のRRです。
今回は橋本徹さんの「交渉力 結果が変わる伝え方・考え方」で、
管理人が、ビジネスシーンで活かせる!!と個人的に思った部分についてまとめます。
私にとって、この本の印象を一言でいうと、
「交渉強者の成功法則」
といったイメージです。
橋本さんが長年戦ってきた交渉の場で、成果をあげた思考法やエッセンスをわかりやすく解説してくれます。
具体的な事例も当時のニュースや時事問題で解説してくれるので、イメージがしやすいです。
あと、橋本さんの実際の交渉や会見シーンがYouTubeにたくさん残っています。
本書をもとに動画を見返すと、
「ああ今のはこのテクニックなんだな~」
と学びを得ることもできます。
本だけでなく、YouTubeも学びの対象として変換できますので、とてもよい本だと思います。
今回の記事は、
- ビジネスシーンで交渉が苦手で、交渉力を高めたい方
- 「交渉はここがポイントだ!」上手く言語化できない方
- 交渉力にますます磨きをかけたい方
に向けた内容となってます。
では、いってみましょう!!
仮想の利益
仮想の利益とは、相手が困る状況をあえて作り、その状況を取り除くことで相手に利益があるように見せるテクニックです。
たとえば、期限の設定など。
あえて厳しい日程を設定しておいて、のちに相手から「なんどか期限を伸ばして欲しい」と連絡がきたら、仕方なく譲歩した態度で相手の要求を受け入れる。
こちらはもともと期限が伸びる前提なので、ノーダメージですが、相手に対しては借りを作ることに成功しています。
この借りこそが、まさに仮想の利益となります。
これは、みなさんもよくやるんじゃないでしょうか?
交渉は自分が絶対譲れないカードをいかに切らないで終えるかが大事です。
なので、そのまえに切れるカードが多くあればあるほど、交渉は有利に進められます。
この仮想の利益のテクニックを使って、交渉のカードをたくさん作ることが交渉力を高める上で重要です!
合法的なおどし
合法的なおどしとは、合法的に相手に力を見せつけて、圧をかけることをいいます。
なので、合法的なおどしは、相手とバチバチにやりあう交渉のときに使いましょう。
友好関係がある交渉で使うと、逆効果です。
わかりやすい例でいうと、
「それならば、訴訟をします。」
というやつです。
ここでのポイントは3つあって、
合法的に喧嘩する
脅す以上、迫力も必要ですし、厳しい条件をつきつけることが基本となります。
迫力を見せつけられたら、臆して条件を飲んでしまう相手もいます。
もちろん迫力だけでは上手くいかないケースのほうが多いです。
ですが、厳しい条件つきつけることで、そこから少しずつハードルを下げていくことで、ある程度よい条件を引き出すことが可能です。
という感じで、合法的に脅すとよい結果を得られるように思えますが、あくまで合法的にやらなければなりません。
法を犯すと今度は相手から合法的に脅されることになり、不利になります。
法律やモラル、道徳の遵守は徹底して、相手を脅すようなパフォーマンス、条件を整理してつきつけましょう。
事前に圧を加える
交渉の当日にいきなり圧をかけられても効果は薄いです。
事前に圧力をかけることで、時間を与えて、考えてもらうことが重要です。
一度考え出すと、圧力から早く解放されたい一心で、交渉当日に多少厳しい条件での飲んでくれる可能性が高まります。
なので、どうせ与える圧なら事前に仕掛けた方が効果的です。
自分が圧をかけられるなら、いったん身を引く
合法的な脅しをする場合は、ある程度パワーバランスが上であったり、合法的に脅せる内容を持っておく必要があります。
ですが、合法的に脅せるポイントが一切なく、逆にパワーバランスも相手が上である交渉もあります。
その場合は、いったん身を引くことがベターです。
丸腰で交渉に行ってもなにも成果は得られません。
勇気を持って撤退し、力を蓄えてから再び交渉に臨むことも状況によっては必要になります。
ここで一番やってはいけないのは、他人の力に頼り切ることです。
他人の力を借りて、いっときは勝負に勝っても頼った相手がいなくなれば、また牙を向いてきます。
また、周囲にも見くびられてしまう可能性もありますし、場合によっては頼った相手から頼ったことを契機として、要求をつきつけられることにもなります。
なので、頼るにしても対等な関係性をもった上で助けを借りることにしましょう。
ここでいう対等な関係性とは、お互いに利益がある関係という意味です。
まちがっても、目先の利益にとらわれて、後で頭が上がらない関係になる頼り方は避けましょう。
お願いをする
相手に利益を提供したり、合法的な脅しを使ってもなお、うまくいかない場合、最後はお願いしかありません。
「なんとかお願いできませんか?」
「まあ、そこまで言うんだったらしかたないね~」
っていう流れ、みなさんもご自身の経験として、また職場でよく見られる光景として体験したことがあると思います。
大事なのは最後のお願いが出来ない関係性にならないようにすることです。
交渉の途中で、感情的になってしまうと最後のお願いが出来ない関係になってしまいます。
なので、どんな交渉相手でも、
- 立場の上下がでないように対等に接する
- 相手を侮辱するような発言をしない
- というルールは自分に課しましょう!
加えて、たとえ交渉が破談になっても最後は握手で終わることを徹底します。
今回は破談でもまた、近い将来に交渉することもありえます。
ここできちんと握手をしておかないと、次回の交渉にも悪影響を及ぼしますので、必ず最後は握手で終わることをお忘れなく!
(実際にしなくていいです!心の握手でOK!実際に出来る関係ならぜひ!)
要望を絞り込む
要望を絞り込めていないと、
- 交渉中に「もう少し」と自分の要望を上乗せしすぎて相手の逆鱗に触れて破談になる
- 「譲歩しなくてもいいところで、譲歩してしまったかも?」と後悔する
- 譲歩を出し渋って納得に達しない
などの失敗ケースに陥る可能性が高まります。
なので、絶対に譲れない要望を絞り込んで、そこだけは譲れないものとしましょう。
そして、他の要望は譲歩のカードとして使いましょう。
そのとき、譲歩の優先順位もきっちりつけて、順位の低いものから譲歩していくことをお忘れなく。
譲歩のカードを切る度に相手へ仮想の利益を与えることになります。
なるべく多くカードが出るように、アイデア出しをして、事前整理しておくとなお良いです。
交渉成功のカギは要素分解
私なりの結論からいうと、
総論反対、各論賛成をめちゃくちゃ細かくやりましょう!!
ということです。
たとえば、クライアントにポスターのラフを提出したとします。
相手から、「デザインが気に入らない」と言われた場合、「気に入らない」を要素に分けると、
- 文字
- 色
- 写真
- キャッチフレーズ
- 構成
などに分解できます。
こうやって細かく分解すると、「気に入らない」とは言っても、
「この部分は問題ない」
「実はキャッチフレーズが気に入らなかっただけだった」
といった感じで気付きを持ってもらえる場合もあります。
なので、交渉の際は必ず争点になる部分を細かく分解することが大事です。
加えて、細かく分解した要素に対して、
自分が、
- 譲歩出来るところ
- 絶対に譲歩出来ない部分
を明確にし、
相手が、
- 譲歩する部分
- 譲歩しない部分
を予想します。
その結果、交渉の戦略を描くことが可能となり、勝ちにつながる準備が出来るようになります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
本日は橋本徹さんの「交渉力 結果が変わる伝え方・考え方」から、
- 交渉の際は、仮想の利益を相手に与えることで、自分はノーダメージで、相手に対しては借りを作ることを意識する
- 敵対的交渉相手には、合法的に相手に力を見せつけて、圧をかけることも重要。その際は①合法的に喧嘩する、②事前に圧をかける、③自分が圧をかけられるなら、いったん身を引くの3つを意識する
- 相手に利益を提供したり、合法的な脅しを使ってもなお、うまくいかない場合、最後はお願いしかない。そのお願いがきちんと発動できるように感情的なこじれは避けるように交渉する
- 要望をきちんと絞り込むことで、交渉が失敗になる可能性を下げることができる。
- 要素を分解することが成功のカギとなる。争点を細かく細かく分類し、自分と交渉相手が譲歩出来る部分・譲歩出来ない部分を明確にすることで効果的な戦略が描ける
という話をしてきました。
本書で描かれている交渉のテクニックは理論というより、実体験に基づく具体的なノウハウです。
言葉もすごくわかりやすく、かみ砕いて書かれています。
交渉に関して、すごく学びが深い一冊です。
交渉ごとに課題を抱えている方はぜひ、本書で学んでみてはいかがでしょうか?