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生命原則に抗い、自分らしく主観を持って生きよう! 要約「ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考」

本記事では、今回は髙橋祥子さんの著書「ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考」についてご紹介します。

「ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考」については2記事目となります。

以前の記事では生命原則について説明してきました。

今回は

  • 人間が持つ主観の意義
  • いかに遺伝子に逆らう主観を生み出すか

についてお伝えします。

本記事の結論

さっそく本記事の結論です。

結論は、

主観こそが遺伝子に歯向かい、自分らしい人生を生きるための指針となる!

です。

本記事を読むべき人

  • 将来に向けて自分が取り組むべきものが見つからない人
  • 今の環境に対してストレスや不安を感じている人

こういった方々に有益な内容が書かれています。

さっそ本編に入ります。

遺伝子に歯向かって生きる

前編の記事でご紹介しましたが、

人々は遺伝子に刻まれた生命原則に則り行動をしている

と、本書は主張しています。

こう聞くと、

「自分も長い生命の歴史の一部にすぎないんだ!」

「生命原則に従わざるをえない環境ならがんばっても意味はない!」

と、悪い意味で達観してしまう人もいるかもしれません。

しかし、人間は主観的な意思を全うして、生きることのできる数少ない生物です。

この主観こそが、変化の多い現代を生きる人々にとっての希望になります。

達観する必要は一切ないと著者はいいます。

主観とは個人が特有に持つ意思である

主観といっても、自分勝手に短絡的に行動することではありません。

本書では、”主観的”を、

遺伝子として記録されている共通機能ではなく、個人が特有に持つ意思

と定義しています。

つまり、主観的に行動することは、

個人が特有の意思を持ち、遺伝子に歯向かう行動をしている

と理解することができます。

このように”遺伝子に支配されていない”と、理解することで前向きになれるのではないでしょうか。

遺伝子に歯向かう主観を設定するには

ここでポイントとなるのは、あなたの主観が遺伝子に歯向かう主観になっているかということです。

この遺伝子に歯向かう主観はどこに存在し、どういうものかを考えてみましょう。

いま世の中には様々な課題があります。

企業単位の大きな課題から個人の悩みといった小さな課題があります。

  • 世界を単位にすると、貧困、環境
  • 日本だと高齢者問題、
  • 個人だとキャリアや人間関係、健康

など、これらの課題は一見、はじめから存在していてるように見えます。

ですが、実際はそうではありません。

課題が解決された状態を私たちが主観的に望むことで、初めて課題と認識されます。

つまり、自ら選んで課題を設定できるということ自体が、極めて自由かつ主体的な性質を持つということです。

NPO法人を例にあげます。

NPO法人が解決しようとする課題として、

  • 子どもの虐待防止
  • 貧困を防止
  • シングルマザーの支援
  • 地域の森林環境の保護
  • セカンドキャリア支援

など、団体の方々が設定する課題は多岐にわたります。

中には課題として、すごく意外なものもあります。

それらのひとつひとつの課題は、

  • こういう未来を描きたいから
  • 好きだから

など、NPO法人の創設者らが自身の主観的な意思に基づいています。

遺伝子に基づいて規定されているわけではないですよね。

つまり、世の中のさまざまな課題は、主観的な意思で形作られています。

裏を返すと、課題を注意深く見ると、人々の意思が見えてきます。

なので、自分が課題だと思うこと、もっというと、みなさんにも

  • ”好き”
  • ”こんな未来になってほしい”

など、直感に思うことがあると思います。

こういった感情を注意深く掘り下げましょう!

そうすることで、自分の意思がありありと見えるようになってきます。

主観が課題解決の推進力となる

自分の意思をきっちりと認識することが、課題解決の推進力になります。

私たちの行動が生命原則に基づく一方で、自分の意思に基づいた主観的な行動が生命原則に歯向かう行動になるんです。

主観が見つからなければカオスに身をおけ!

一方で、自分の意思を持って行動を起こすほどの目標が見つからない人もいるでしょう。

もっというと、やりたいことが見つからないという状態です。

主観的な意思を持ちたいけど、持てない。

そういう人はカオスな現場に身をおきましょう。

カオスとは、混沌という意味で予測が不可能な環境のことです。

こういった予測が不可能な環境だと理不尽なことが起きがちです。

予測できない環境の中で理不尽なことに直面したときこそ、自分がなにを求めているかを認識できます。

例えば著者が起業家にヒアリングしたところ

  • 東日本大震災で非力さを感じた
  • 難病で生死をさまよった

などカオスのなかで自分がなにを求めているかを認識する方々が多いです。

達成できるかわからない難しい環境に身をおこう

ちょっと、極端でしたので、もう少し現実的で個人の意思で身をおくことができるカオスの例を紹介します。

それは、達成できるかわからない難しい環境に身をおくことです。

昔の日本の終身雇用システムのように、安定していてどこにたどり着くかわかっている環境であれば意思を持たずに流れていても何の問題もないでしょう。

ただし、現代は違います。

VUCAの時代というように、変化が非常に激しいです。

変化の激しい大海原であれば、羅針盤は必要となります。

カオスな環境においては、自分をしっかり保たないと行きたいところに行けません。

  • なぜ予測できないのか。
  • なぜこんな理不尽な目にあうのか。
  • なぜ世の中はこうなっているのか。

カオスな環境は、こういった疑問ばかりを感じます。

この疑問に対するアプローチの中で、自然と自分だけの羅針盤、つまり、主観を持てるようになります。

”なぜ”だけが主観的な疑問

カオスであればあるほど、疑問が生まれやすくなり、ひいては主観につながっていきます。

こういった”なぜ”から始まる疑問が重要だと著者は考えています。

なぜなら、5W1Hの中で”なぜ”以外の疑問は客観的なものだからです。

”なぜ”のWHYだけが自分に関わる主観的なものです。

“なぜ”から始まる疑問は社会だけでなく、自分の主観にひもづいています。

例えば、

「今の日本は貧しい国になりつつある」

これは客観的に話せます。

しかし、”なぜ”からこれを考えると、主観的になります。

  • なぜそうなったのか
  • なぜ解決できないのか
  • なぜそれが問題なのか

など、”なぜ”が発生した瞬間に、その問いに対するアプローチから主観が生まれます。

“なぜ”という疑問を設定するだけで、主観的な命題に気づくことができます。

そして、

  • なにを目指したいのか
  • そのために自分はどう行動するのか

という自分軸が発生するんです。

ですので、

  • やりたいことが、見つからない人
  • 今、自分の置かれている環境がつらい人

こういったみなさんは、カオスな状況に見をおき、そこで出会う課題に対して、なぜの問いを積み重ねましょう。

そうするだけで能動的に自らの信念を固めていくことができます。

  • なぜ今の道を進んでいるのか
  • なぜ今の環境はつらいのか

などといった感じです。

あなた自身で設定した主観的な答えでカオスな世界を突き進もう

この”なぜ”に対する解は他者に否定されるものではありません。

他者に代替されないあなたにとって貴重な命題なんです。

あなた自身で設定した”なぜ”に対する主観的な答え。

それが、カオスな世界を突き進む糧になるんです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

本記事では、高橋祥子さんの著書「ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考」から

人間が持つ主観の意義

いかに遺伝子に逆らう主観を生み出すか

について解説しました。

まとめると、以下の通りです。

まとめ

主観的に行動することは、個人が特有の意思を持ち、遺伝子に流されないあなだ独自の行動となる。変化の激しい時代においてこの”主観”が生きていく上での羅針盤となる。

自分自身で主観を上手く設定できない人はカオスな環境に身をおこう。カオスな環境の中で生まれる”なぜ”という問いが自分自身の主観に気づかせてくれる。

「ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考」ではこの他にも人生やビジネスにおける指針となる生命科学的思考を数多く学べます。

本記事を通して、本書が気になった方はぜひ手に取ってご覧になってみてください。

本日は以上です。

では、また!

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