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「銀行を淘汰する破壊的企業」銀行どころかペイパルすらも脅かす電子決済界の新星ストライプ編

こんにちわ。

本ブログの管理人のRRです!

本日は以前の記事でご紹介した山本康正さんの「銀行を淘汰する破壊的企業」の続編となります。

管理人は本書にえらく感銘を受けたので、紹介されている破壊的企業を個別具体的にご紹介していこうと思います!!

ちなみに、「銀行を淘汰する破壊的企業」では、その名の通りに銀行をディスラプトする企業として、

  • Google
  • Amazon
  • Facebook
  • Apple
  • ペイパル
  • ストライプ
  • アント
  • アファーム
  • コインベース
  • キャベッジ
  • ロビンフッド

が紹介されています!!

今回はその中から、

ストライプ

についてご紹介したいと思います!

この記事は

  • 金融業界にお勤めの方
  • これから金融業界の就職を検討している方
  • ITベンチャーに興味がある方
  • 未来の生活がどうなっているのかが興味ある方

向けに書いています。

では、いってみましょう!!

ストライプとはどんな企業?

まずはストライブとはどんな企業かを簡単にご紹介します。

  • 創業年:2010年
  • 創業者:コリソン兄弟
  • 売上高:未公開
  • 時価総額:10兆円
  • キーワード:電子決済(スマホ)

2021年 SB新書 山本康正「銀行を淘汰する破壊的企業」より引用

となります。

ストライプの日本法人のホームページはコチラです。

2010年とまだまだ創業年から日が浅い会社です。

創業者はパトリック・コリソン氏と弟のジョン・コリソン氏。

アイルランド出身の二人は兄のパトリックはマサチューセッツ工科大学、弟のジョンはハーバード大学をいずれも中退してこのストライプを起業しています。

こんな卒業すれば輝かしい経歴をゲットできる大学を中退して、リスクの高い起業を選択するあたり、成果をあげるひとたちの決断力はやはりすごいな凡人の自分としては強く感じます。

そしてストライプは快進撃を続け、その評価額は

  • 2016年 約1兆円
  • 2018年 約2兆円
  • 2020年 約4兆円

と右肩上がりの成長を続け、

2021年に約10兆円を突破!

晴れて、ユニコーン企業(企業価値が約10兆円(正確には10億ドル)を超える未上場企業)になりました。

ちなみにこの成長がどれだけすごいかと申しますと、

ユニコーンとしては、あのイーロン・マスク率いるSpaceX(テスラじゃないです。宇宙事業に取り組んでいる会社です)を抜き、米国内のユニコーンとして、トップになりました。

そのくらい衝撃的な数字です。

「なにをしてそんな成功しているんだ?」

と、疑問が湧くかと思いますが、一言で申しますと、引用文のキーワードにもあるように

電子決済サービスの提供

をしている会社です。

そして、以前お伝えしたペイパルと決定的に違うのは、スマホを前提とした電子決済サービスを提供している点です。

「なるほど、ペイパルのスマホ版てことはそりゃ儲かるか。」

となんとなく腹落ちできるかもしれませんが、このからくりはもう少し具体的に語ることができます。

ストライプが評価される理由

徹底した手間の排除

オンラインでの決済を行う場合、

  • 銀行口座の指定
  • オンラインアカウントの発行
  • パスワードの設定
  • クレジットカードの番号、発行年、名義を打ち込み
  • セキュリティコードの打ち込み

などの作業は発生します。

あのペイパルですら同様です。

が、ストライプはこの作業をハックしています。

ストライプのサービスなら、

  • スマホでクレジットカードを撮影で登録!
  • 以後、セキュリティコードを打ち込むだけで決済完了

という登録までわずか1ステップ!

以後の決済も常に1ステップ!

という最小工数で決済が可能になるシステムです!!

これにより、

「登録がめんどくさいからもういいや~」

と購入をあきらめてしまっていた離脱者も、ストライプを使えば防ぐことができます。

このような理由から多くの企業、個人に支持されています!

加えて、ストライプのサービスが排除している手間として、決済システムを導入する手間が、ペイパルに比べて遙かに楽である点です。

ホームページにクレジットカード決済を入れる場合、わずか数行のコードを貼り付ければそれで終了とのこと。

実際にワードプレスにもストライプのプラグインがあふれてます。

それでいて、

  • 決済手数料がペイパルより安価
  • スマホ対応OK

という特徴からここ数年で爆伸しています。

自社のホームページにクレジットカード決済を入れたいと思った場合、ペイパルであれば、ペイパル専用のアカウントを作り、ソースコードを取って貼り付けるなど、それなりの手間と時間、プログラミング知識が必要でした。しかし、ストライプであれば楽になるのです。そのため特に、プログラミングに疎い人にとっても導入しやすいサービスと言えるでしょう。

2021年 SB新書 山本康正「銀行を淘汰する破壊的企業」より引用

販売企業の世界観を壊さない顧客体験

ストライプとペイパルが決定的に違う点として、よく上げられる点があります。

それが、「表に出てくるか、否か」という点です。

ペイパルで決済する場合は、ペイパルのページに飛んで、その中で決済することになります。

これだけ読むと当然のことに思えますが、ストライプと比較するとわかることがあります。

実はストライプの決済は、ECサイトのプラットフォーム上で決済できる仕組みになっています。

要するに、ストライプを利用していると感じることなく、気がつけば決済が終わっています。

この利点のなにがよいかというと、離脱者を防げるという点です。

顧客はECサイトでの購買体験すべてを総合的に判断して、購入を選択します。

「納得したECサイトの体験内で購買を終えることができる」

か、

「一旦ECサイトと別のペイパルに飛ばされて再度決済の体験を切り分けて行う」

のどちらが顧客体験として離脱率が少ないかというと、

  • 販売企業の世界観を壊さない
  • 表に出てこない

ストライプであることは想像がつきます。

こういった理由から、ストライプは企業から支持されています。

ストライプを利用している企業

利用企業も名だたる企業が利用しています。

  • ツィッター
  • ショッピファイ
  • ズーム
  • リフト
  • グラブ

中国企業も利用していて、

  • Alipay
  • WeChatpay

などが利用しているそうです。

日本にも2016年から進出しています。

冒頭にリンクを貼ったホームページにも記載がありますが、

  • 全日空
  • 日本経済新聞社
  • DeNA
  • freee
  • cookpad

などなど

大企業からメガベンチャーまで幅広く浸透しています。

余談ですが、ストライプの日本進出には、日本人的には聞いててうれしいエピソードがあります。

ストライプジャパンの共同代表取締役のダニエル・ヘフェルナン氏はアイルランド出身にもかかわらず幼少期から日本とプログラミングが大好き少年だったんだとか。

(なぜ、日本!?)

そして、ストライプの創業者であるパトリック・コリソン氏が幼なじみの間柄だったそうなのです。

エピソードの詳細は下のリンクを見て欲しいんですが、上野のラーメン屋でジョン・コリソン氏と話してストライプの入社を決めた話が書いています。

こんな世界的企業のエラい方が、上野のラーメン屋で議論して大事な意思決定しているなんて、なんか親近感が湧いてきますよね。

https://www.businessinsider.jp/post-167517

ストライプの今後の展開

ストライプの今後の展開としては、

  • 電子決済の覇者、ペイパルを抜く
  • あらゆる金融サービスの裏側に存在する

の2つです。

電子決済の覇者、ペイパルを抜く

電子決済ではペイパルのシェアは圧倒的なのですが、スマホなどのモバイル決済ではストライプが勝っています。

このスマホでのマーケットにおける勝利を受けて、まもなくストライプはペイパルを抜くと言われています。

理由の一つ目はサーバーです。

ストライプはペイパルより後発のため、後発らしくペイパルよりも導入されているテクノロジーが進んでいます。

特にインフラまわり。

サーバーに大きな違いがあります。

ペイパル創業時はまだ自前サーバーを組み上げていくのが主流でしたが、ペイパル創業時はクラウドサーバーが主流になっている頃でした。

ペイパルが自社サーバーからクラウドへ移行している最中にストライプは初めからクラウドを導入出来ます。

この差が今の成長を大きく生んでいて、ストライプはクラウドでサーバーを組み上げている分、急激にビジネスが大きくなっても、スピード感を維持しながら事業を大きく出来ます。

このあたりがモバイルマーケットを早期に押さえられた要因と著者の山本康正さんはおっしゃってます。

本書はおもしろい例えがあって、

古くからあるお寺の改修は、お金も時間もかかるものです。一方、新しいものは安くすぐに建てられる。しかも、最新の設備や安全性が備わっている。このような経済学でいう後発性の利益の観点からも、最新のベンチャーが手がける金融サービスの方がはるかに便利であり、成長スピードも速いのです。

2021年 SB新書 山本康正「銀行を淘汰する破壊的企業」より引用

ペイパルとストライプの創業に約10年の差があるのですが、10年でテクノロジーは大きく変化します。

サーバーだけに限らず、やはり後発であるという点はテクノロジー業界では大きな利点になります。

このペイパルをまもなく追い抜くという業界の市況感を察してか、大手のVCからの出資やGAFAから多くの優秀な人材が流入しているそうです。

決め手にテスラ、spaceXのイーロン・マスク氏、日本だと「ZERO TO ONE」でおなじみの投資家のピーターティール氏。

この二人はペイパルの創業者なのですが、このお二人もストライプに出資しています。

こうなるとストライプの将来はまだまだ右肩あがりが確実に思えてなりません。

あらゆる金融サービスの裏側に存在する

ペイパルがデジタルバンクを設立して、自社のサービスを拡張して、銀行業務を飲み込もうとしているように、ストライプも同様のことをしてくると予想されています。

加えて、ECに限らず、あらゆる金融サービスにおける決済の裏側にストライプありという状態に持って行くことが予想されます。

特に「デジタル通貨」への進出です。

過去、検討していた経緯もあるようですが、検討が一時中止されていました。

今年に入って再度検討しなおすような動きもあるようで、今後成長が見込まれる「デジタル通貨」を確実に抑えてにいく動きもきちっと見せています。

市場の伸びと企業のスキルが完全に一致しているので、もう伸びない理由を探す方が難しい!!!

話は少しずれますが、

こうなってくると、まもなく上場も見込まれていると噂も立ち。。。

どこまで評価額が伸びるのでしょうか!?

なにかと大注目のストライプです!!

https://jp.reuters.com/article/stripe-listing-idJPKCN2EF041

おわりに

いかがだったでしょうか?

本日は山本康正さんの「銀行を淘汰する破壊的企業」よりストライプを特集させていただきました。

本記事では、

  • ストライプは電子決済の企業で特に、モバイル領域のシェアを押さえていて、同領域ではペイパルにも勝っている
  • ストライプが評価額を約10兆円突破!今後もまだまだ成長を続ける見込み
  • ストライプが評価される理由として、決済のおける手間を徹底的に排除しながら、顧客体験の世界観も壊さない黒子に徹しているところ。このスタンスにより決済までの離脱率を大きく下げることに成功している
  • ストライプは今後、電子決済の領域でペイパルを追い抜き、あらゆる金融サービスの裏側に存在するようになる

という話をしていきました。

山本康正さんの「銀行を淘汰する破壊的企業」、とてもおもしろいです!

ストライプについて、より詳細に書いていますし、その他破壊的企業も非常に学びが多いです!!

みなさんもぜひ、本書を手に取って読んでみてはいかがでしょうか?

 

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