こんにちわ。
本ブログの管理人のRRです!
本日は以前の記事でご紹介した山本康正さんの「銀行を淘汰する破壊的企業」の続編となります。
管理人は本書にえらく感銘を受けております。
そのため、紹介されている破壊的企業を個別具体的にご紹介していきます!!
ちなみに、「銀行を淘汰する破壊的企業」では、その名の通りに銀行をディスラプトする企業として、
- Amazon
- Apple
- ペイパル
- ストライプ
- アント
- アファーム
- コインベース
- キャベッジ
- ロビンフッド
が紹介されています!!
今回はその中から、
アント
についてご紹介したいと思います!!
https://www.axion.zone/antgroup-analysis/
この記事は
- 金融業界にお勤めの方
- これから金融業界の就職を検討している方
- ITベンチャーに興味がある方
- 未来の生活がどうなっているのかが興味ある方
向けに書いています。
ではいってみましょう!
アントってどんな会社?
上の11社の中で唯一の中国企業です。
アントについて簡単にまとめると以下のようになります。
創業年1999年
創業者アリババ内の社内ベンチャー
売上高:非公開
時価総額:約30兆円
キーワード:アリババグループ(中国)、電子決済、デジタル通貨
2021年 SB新書 山本康正「銀行を淘汰する破壊的企業」より引用
アントを一言で表現すると、
アリペイをやっている会社
です。
アリペイをご存じない方に簡単にご説明すると、こちらのマークがある店舗で決済がでます。最近、よく見かけませんか?
やり方はペイペイと同じで、
- 店舗のレジ付近にあるアリペイ決済用のQRコードを探す
- ホーム画面の「Scan(スキャン)をタップし、コードを読み取る
- 金額を入力
- 決済完了
という簡単なステップです。
年間1800兆円!
中国のスマホ決済アプリ「アリペイ」を運営していて、年間約1800兆円の送金・決済をさばいていると言われています。
ちなみに日本でのQR決済・送金の最新データは2020年のデータで、約4兆4000億円です。
https://www.paymentsjapan.or.jp/publications/research/pymt-trends/code-payment/code-pymt_20210531/
この約4兆4000億円は日本企業16社の合計金額です。
アントは1社で年間1800兆円です。
こう比較すると、いかにアントがすごいかが読み取れると思います。
アントが成長する理由①:アリババグループのアセットフル活用
アントはアリババグループの社内ベンチャーとして生まれた会社です。
アントのサービスであるアリペイはアリババのECサイトが急激に拡大したことにより生まれました。
ECサイトでの決済をより簡単にしようとして、QRコード決済を開発したんです。
そこからECサイトに限らず、あらゆる生活シーンに浸透していき、社会インフラのレベルにまで普及しています。
その社会インフラとして普及したアリペイとアリパパの金融事業、EC事業などのデータと紐付けて最大限活用しています。
たとえばアリペイの送金や決済データがあれば、個人個人の取り扱い金額の量やマネーリテラシーなどが簡単に読み取れます。
そのデータをもとにまたアリババグループのサービスの購入増につなげ、それらをアリペイで決済する。そしてその情報をまた収集→活用→決済→収集・・・。というループを回すことができます。
https://diamond.jp/articles/-/258095
アントが成長する理由②:中国企業であること
GAFAやストライプ、ペイパルとは違ってアントは中国企業なので、ある意味大胆な動きができます。
特にデータに関しては欧米では個人情報の議論が盛んですが、中国は国家ぐるみで個人情報は差し出すことが求められています。
また、許認可も緩いので、送金・決済プラットフォームのアリペイが一時期、銀行と重複する金融事業もやっていました。
こういったことを欧米でやると、既存勢力との関係からなかなか進みませんが、中国は右にならえ一気にやれるので、このあたりのスピード感はアントにとっては強みとなります。
アントが成長する理由③:デジタル通貨事業
中国政府と手を組んでデジタル通貨の普及を進めています。
デジタル人民元はアリペイをプラットフォームとして普及させる計画です。
その後、中国に限らず東南アジア、中国が多額の投資をしているアフリカなどにデジタル人民元を広めようとしています。
デジタル人民元が無理だとしても、アリペイのテクノロジーを活用して、他国のデジタル通貨の開発を担うことは最低限請け負いたい。
そういう戦略を中国は描いています。
東南アジアやアフリカはこれから人口が爆発的に伸び、経済のピークを迎える国々です。
このエリアのデジタル通貨を押さえることで、世界の金融マーケットでアントが存在感を出してくる日もそう遠くないでしょう。
アマゾンとアントで二大巨大銀行になる?
デジタル通貨を運用するにはクラウドが必須です。
そうなるとアマゾンのAWSやマイクロソフトのアジュールなどのアメリカ勢も黙ってアントの躍進を見ているだけではないはずです。
おそらく米ドルのデジタル通貨はアマゾン、デジタル人民元はアント(アリババ)となり、この2大通貨がこの先のデジタル通貨業界を牽引していくことが予想されます。
おわりに
いかがだったでしょうか?
本日は、
- アントはアリババの社内ベンチャーとして誕生し、アリペイを運営している決済・送金プラットフォームを運営している会社
- アント(プラットフォームはアリペイ)1社での年間の決済・送金取扱金額は年間1800兆円。対して、日本は国内企業16社の取扱金額の合計が年間4兆4000億円であり、大きな差がある。
- アントが成長する理由は①アリババのサービスで得たデータをアセットとして活用できる、②中国政府も個人データ活用には寛容、③デジタル人民元の普及を中国政府と協働し全世界に波及させる役割を担うの3点が上げられる
- デジタル通貨を広めるにはクラウドが必須となる。今後世界のデジタル通貨はアマゾンとアント(アリババ)の2社が牽引する
という話をしてきました。
本日は以上です!
では、また!