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AI迷子のための道しるべとなる一冊!ダブルハーベスト 著:堀田創、尾原和啓

こんにちわ。

突然ですが、みなさんの会社で「AIをどう活用するか?」といった議論、巻き起こっていませんか?

私の会社ではDX戦略の一環で、AIをどう活用するか議論は結構活発化しています。

しかし、なんだかとてもふわついていまして、AIが有効に使われている未来があまり想像できません。

けれども、周りがやっているからという理由で突っ込んでいこうとしている気配がプンプンしています。

そんなAI活用迷子の人たちに、AIはどのように活用すべきかを明確に指示してくれる本があります。

それが、本記事でご紹介する「ダブルハーベスト」という本です。

この本は、これからの時代にどうAIを活用していくべきかが書かれているAIの攻略本的な書籍です。

著者は堀田創さん、尾原和啓さんの共著です。

データを狩る時代から育てて収穫する時代へ

その中で私が最も惹かれたトピックであり、この本の最重要な言葉として、

「データを狩る時代から育てて収穫する時代へ」

というのがあります。

この言葉、すごくインパクトのある言葉ですよね!

「どういうことなんだろ?」

と、惹きつけられます。

この言葉をもう少し、管理人なりに具体的に表現すると、

「AIに学習させる情報は、自動化して毎日コツコツ地産地消で与えましょう」

ってことです。

ここでいう

「自動化してコツコツ」は、ループ構造

「地産地消」は、その会社組織のリアルタイムのオペレーション情報

といった意味です!!

「データ持っていれば勝てる」が幻想だった

こうなった背景として、「データを持っていれば勝てる」が幻想だったことがわかってきたという点が挙げられます。

ビッグデータがもてはやされた時代は、大量のデータから人間がinsight(洞察)を発見して、いいサービスを作るというやり方が主流でした。

そのため、大量のデータを持っているプラットフォーマーが勝つ世界が来ると言われていたわけです。

さきほどの言葉で言うと、いろんな獲物が住んでいるデカい餌場を抑えている組織が、いろんな動物のお肉をたくさん食べられるので、強いと思われていたという話です。

ただ話はそう簡単でなくて、

  • 大量にデータを集めても、人力じゃたいした活用ができない
  • AIを活用しようとしても、大量のデータからどんなデータがAIに最適化かがわからない
  • 仮に出来たとしても一発屋な感じで、すぐに終わるし、再現性も出せない
  • 過去の情報からinsightを得ているので、リアルタイムとズレが発生し、変化が激しい今の時代では良きタイミングを捉えられない

みたいな問題点が浮かび上がってきました。

データを農耕して収穫する

これらの問題をすべて解決する施策として、本書が提唱するのが、データを農耕して収穫するスタイルです。

会社のオペレーションから日々集まるデータが、自動的にAIに集める仕組み(農耕)を作り、

日々AIに食べさせる(収穫)。

本書ではこれをハーベストループと定義しています。

このハーベストループを構築することで、リアルタイムデータで、かつ、その会社オリジナルの専門的な知見を持ったAIが仕上がるという話です。

そうすることで、大手プラットフォーマーが作ったAIをただただ導入している会社と大きく差別化することが出来ます。

ダブルハーベストが圧倒的優位性を作る

さらに圧倒的に差をつけるためにこのハーベストループを「ダブルで回す!」ことが必要と本書は主張しています。

それが本書のタイトルである「ダブルハーベスト」になるという話です。

AIがコモディティ化してきている現代に置いて、このダブルハーベストループ構造を作るのは競争性を作るためには必須であり、本書ではそのループの構築方法、実際の構築事例をわかりやすく解説してくれています。

本の中での事例をひとつ紹介すると、車載カメラによる車両検知や、事故防止システムを提供する企業でモービルアイという会社があります。

イスラエルのベンチャー企業で、2017年にインテルに1兆7,000億円で買収されました。

「ベンチャー企業がそんな価格で買収!?」と感じる方も多いと思います!!

その要因こそ、ダブルハーベストループ構造を作った圧倒的優位性が評価されたからなんです。

※管理人が本書より図を再現

おわりに

いかがだったでしょうか?

本記事では、

  • データを狩る時代から育てて収穫する時代に突入している
  • 「データを持っていれば勝てる」という考え方が幻想だったことわかってきた
  • ハーベストループとは、オペレーションから日々集まるデータが、自動的にAIに集める仕組み(農耕)を作り、日々AIに食べさせる(収穫)ことを指す
  • ハーベストループを2重に回すことをダブルハーベストといい、これからの時代はこのダブルハーベストを構築することが企業の圧倒的優位性を作るカギとなる
  • 実際にイスラエルの車載カメラによる車両検知や、事故防止システムを提供するベンチャー企業であるモービルアイという会社がダブルハーベストを構築していることが評価され、インテルから巨額の評価を受けて買収された

という話をしてきました。

本書をみなさんの社内で共有して、

「会社でどんなダブルハーベストループを作ることができるのか?」

といった議論ができると、とても有意義なディスカッションになると思います。

実際に私は社内のDXチームのメンバーで本書をペア読しましたが、とても有意義な時間になりました。

https://note.com/1000tea_/n/nc4b9f41aee56

ご興味のある方はぜひ、一度手にとって読んでみてほしいです!!

また、著者の堀田氏が取締役を務める(株)シナモンでは、ダブルハーベストコミュニティというオンラインコミュニティを運営されています。

月額課金の有料コミュニティで、企業単位で入会できます。

値段もお手頃です!

入会するとAIに関する有用なコンテンツ配信の視聴、シナモンが主催するワークショップに参加できます。

最近できたばかりで、コミュニティ加入企業同士の横のつながりを作るなど、発展的な活動はこれからのようです。

管理人が所属する企業も加入してコンテンツを受け取っていますが、とてもおもしろいものばかりです。

興味が湧いた方はぜひ、こちらのリンクから!

https://cinnamon.is/double_harvest_community

本日は以上です!

では、また!

 

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