こんにちわ。
本サイトの管理人のRRです。
今回は(株)Voicy代表の緒方憲太郎さんの著書、「ボイステック革命/GAFAも狙う新市場争奪戦」について要約していきたいと思います。
私はVoicyは2019年から使わせてもらってまして、結構早い方かなと思っています。
きっかけはキングコングの西野さんの放送があったからです。
西野さんのオンラインサロンに加入してVoicyの存在を知りました。
長くお世話になっているとても好きなサービスです。
Voicyを展開する会社の社長の方の本という理由で注目していました。
加えて、Voicy内にある緒方さん扮する「ベンチャー支援家K」がパーソナリティの番組がとても好きだったというのもあります。
起業家を目指す方や企業での新規事業開発、オープンイノベーションの担当者は必聴です。
良質なコンテンツを発信しています。
良かったらコチラ聴いてみてください。
ということで、前置きが長くなりましたが、そんな緒方さんのボイステック革命についてまとめていきます!
スマホ以来の大革命を音声テクノロジーが起こす
音声テクノロジー、この本で言うところのボイステックはGAFAも長年手を出している領域です。
なぜ、今このボイステックが盛り上がっているかを解説している部分がこの本の肝のひとつになっていると個人的には感じています。
その部分、興味深い話として、「人と情報の接点の歴史」の話があります。
人と情報の接点について、本の中ではインターフェースという言い方をしています。
人類の歴史を紐解くとこのインターフェースが過去、何度か変わっていて、その時々でこのインターフェースを握った者が力を得てきました。
具体的にインターフェースの歴史をたどると、
口伝(会って話す)→立て札(書いて置く)→活字印刷(書いて送る)→TV・ラジオ(情報が出てくる)→PC(情報を取りに行く)→スマホ(情報を持ち歩く)
となります。
このスマホの次に音声×IoT(生活しながら情報取得)が来るというのが、緒方さんの主張です。
とてもおもしろい考察ですよね。
「歴史はわかったけど、なぜ次が音声なのだ?」
という疑問を持たれた方もいらっしゃると思うのですが、その部分については、「インターフェースの歴史の法則として、人は情報取得をより手軽に、より生活を犠牲にしない形へ変化させてきたから」と解説しています。(本書より管理人が下図を再現)
たしかに図を見ると、歴史からその法則は読み取れそうです。
とはいえ、じゃあ音声がスマホより手軽で生活を犠牲にしないのかが気になるところです。
まず音声が手軽な理由は、コミュニケーションにおける伝える人と理解する人のプロセスが最短だからです。(本書より管理人が下図再現)
生活を犠牲にしないのは、音声が「ながら聴き」できるからです。
スマホでのテキスト、画像はどうしても人の可処分時間を奪います。
それだけに集中する時間が必要になります。
でも音声はどうでしょう?
移動中、運動中、家事、お風呂、なんなら仕事や作業中も。。。
といった感じで二毛作的に耳に情報を流すことができます。
この「ながら聴き」という特性がコンテンツあふれる現代において、人類の生活を犠牲にしないスタイルとして受け入れられる訳です。
こういった歴史の法則から未来を読み解かれると腹落ちがすごいのと、よくこんなことが考えついたなという尊敬の念が湧きまくる話でした。
ボイステック革命を生み出した3つの要因
本作ではボイステック革命をもたらした要因として3つあげられています。
①音声テクノロジーの進化
多くの音声テクノロジーの進化があった中、解析技術の進化が特に変革へつながった要因です。
具体的に言うと、デジタル音声データの内容を機械的に「理解」できるようになり、検索可能になったということです。
音声をテキストにして検索できるようにして、検索が可能としているのですが、これにより広告の可能性が広がります。
テキストに置き換えるので、今のWEB上のテキストと同じ広告を打てるようになるわけです。
とたとえば、音声データにおいてもレコメンドが出来るようになります。
そして、将来的には音声ならではの特徴を生かした技術と掛け合わせることで、音声ならではの広告が出来るようになる可能性があります。
まだ未開拓ではありますが、「聞いた人がどんな反応をするか」という受信者側の行動を分析する技術に期待が高まっているそうです。
この技術と音声解析を掛け合わせると、「どんな音声が聴き手の行動に影響するか」がわかるようになるため、音声検索広告や音声のSEOみたいなことも可能になるそうです。
音声の世界でもブログが浸透していった時と同じような流れが来るのかもしれませんね!!
②デバイスの普及
デバイスと一言で言ってもどんなデバイスの普及がボイステック革命に起因したのか?
本書ではスマートスピーカーとワイヤレスイヤホンの2つだと紹介しています。
(1)聴き方を変えたスマートスピーカー
スマートスピーカーは、インターネットに接続していて、音声操作によりアシスタントが搭載されているスピーカーを指します。
「Hey、siri!!」
「OK,Google!!」
「アレクサ~!」
と言うと、答えてくれるあれです。
こちらのサイトがまとまっておりました!
<スマートスピーカーのおすすめ10選【2021】GoogleやAppleなど人気メーカーのモデルを紹介>
https://www.biccamera.com/bc/i/topics/osusume_smart_speaker/index.jsp
どうやら、このスマートスピーカーが新しい音声との関わり方を生み出したようです。
日本ではまだなじみのないかもしれないスマートスピーカーですが、アメリカでは既に市場に幅広く行き渡っているようです。
すでにキャズムを超えた段階なんだとか。※キャズムについてはこちらを参考にしていください。
一方、日本におけるスマートスピーカーはアメリカより3年も遅れているので、まだ、アメリカほど進んではいません。
ですが、野村総合研究所のデータでは調査時の2019年に世帯普及率7.6%だったのが、2025年には39.0%まで伸びると予測されています。
「そんなに伸びるのか~」と個人的には驚きつつも、たしかにスマートスピーカーの利便性はかなり高いのですぐに納得できました。
私も自宅で使っていますが、生活にかなり浸透しています。
- 時間を計ってもらったり、
- 電気をつけてもらったり、
- 音楽かけてくれたり、
- 天気予報をきいたり、
などなどまだまだスマートスピーカーのCMのようなレベルまでお願いできるセットアップは出来ていないのですが、それでも結構便利で使っています。
我が家の子どもたちも毎日のように「OK,Google!!」と叫んでいます。
この技術の便利さを知って、普及しないで廃れるってことはたしかに想像しにくいですね。
このようにスマートスピーカーの普及によって、音声でネットとつながる新しい習慣が人類に生まれたといえるのかもしれません。
(2)耳に装着した小型コンピューター「ワイヤレスイヤホン」
ワイヤレスイヤホンはスマートスピーカーよりも音声業界にインパクトあるデバイスのようです。
ワイヤレスイヤホンといえばアップルが2016年に発売したAirpodsですが、こいつがとんでもない商品だったんです。
詳しくはコチラでも解説!
スマホとコードで結ばれなくなっただけじゃなかったんです。
イヤホンにマイクやアシスタント機能、リアルタイム翻訳など様々な機能が付加されていました。
つまり、音声に対応したイヤホンというだけの機能じゃなくて、小型のコンピューターを耳につけている状態にしました。
これに呼応する形でGoogle、Amazonもワイヤレスイヤホンを発売開始。
市場が大盛り上がりしました。
本書の中でも紹介されていますが、ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンの世界市場は、2019年は2.1億台で、2025年には5.7億台になると予測しているシンクタンクもあるんだとか。
ここまで市場が伸びると、投資も加速し、近い将来いろいろな機能が付加されることが想定されています。
たとえば、
- だれかに話しかけられたときにイヤホンの音を自動で停止して、外の音を取り込む機能
- 雑音があるところで周囲の音をシャットダウンしてイヤホンの音をクリアに聞く機能
- それと反対でイヤホンの集音マイクを使って自分の声をクリアに相手に届ける機能
などなどです。
こうなると最終的に人類全員がデフォルトで24時間耳にイヤホン差しっぱなし状態を狙っているという未来を予言する方までいらっしゃいます。
音声の最大の特徴は「ながら聴き」ができるところです。
この「ながら聴き」が簡単にできることで、音声が情報化社会の覇者になる可能性がぐっと高まります。
なぜなら、情報化社会では情報のファーストタッチをどの端末が握っているかで、市場の覇権を握るプレイヤーになるかが決まるからです。
そういう意味で考えると、このワイヤレスイヤホンとスマートスピーカーの2つで人々の生活に浸透してくる音声サービスは、情報化社会の覇者になるトップ集団に位置しているといっても過言ではないかもしれませんね!!
③「聴く習慣」の広がり
海外でポッドキャスト急成長している一方で、日本でポッドキャストはあまり普及していませんでした。
2020年あたりからようやくチラホラ聴いている人が現れるといった印象です。
日本ではもともと海外に比べて、デジタルで音声を聴くという習慣がなかったんです。
で、その習慣が大きく変わるタイミングがありました。
それがClubhouseの上陸ですね!
2021年の1月末に突如、ブームとなったClubhouse!!
今では、あまり聴かれなくなってしまっています。
とはいえ、このClubhouseブームによって、日本人も「音声っていいじゃん」ってなったと同時に、「音声のこういうところも問題だよね」ということを明確にしてくれました。
具体例であげると、
「だれかとしゃべりたい。人の声が聴きたい」
という欲求は満たされるが、
「自分の声、場所を残したい。フォロワーの反応を知りたい」
という欲求は満たされないなどです。
ある意味、壮大な社会実験をClubhouseがしてくれたのかもしれませんね。
著者の緒方さんもVoicyというClubhouseのライバル的なサービスをやっていらっしゃいますが、ライバルとして戦うのではなく、逆にClubhouseに便乗していらっしゃいました。
あのブームの期間に多くのトークルームに緒方さんが登場されているのが記憶に新しいです。
あの活動によって、Voicyは利用者を一気に増やし、そして、Clubhouseブームが去った今でも安定的にユーザーを伸ばしているそうです。
ライバルとのClubhouseを使い倒して、自分のサービスを伸ばしつつ、かつ、Clubhouseの失敗と同じ失敗をしないように事業を修正する。
すごい戦略家だな~とこのとき私は思いました。
おわりに
すこし長くなってきたので、いったんこのへんで!!
本記事では、
- 音声がスマホ以来の大革命を起こす。
- なぜかというと、音声サービスがより情報を手軽に生活を犠牲にしないで取得できるから。
- 歴史を読み解くと、人々が情報をより手軽に、生活を犠牲にしないツールを選択してきた歴史が見えてくる。
- ボイステック革命を起こした要因は①音声テクノロジーの進化、②デバイスの普及、③聴く習慣の広がりの3つ
- 特にデバイス面でのスマートスピーカー、ワイヤレスイヤホンの普及は大きなインパクト
ということをまとめてきました。
ボイステック革命はまだまだおもしろいポイント盛りだくさんなので、後編としても記事をまとています!!
こちらも併せてどうぞ!
またAmazonの音声サービス「Audible」に関する記事はこちらです!
今回は以上です!
では、また!!