こんにちわ。
本ブログの管理人のRRです。
本日は前回にひきつづき音声プラットフォームのVoicy代表の緒方憲太郎さんの著書「ボイステック革命」の書評(後編)です。
前編では、
- 音声がスマホ以来の大革命を起こす。
- なぜかというと、音声サービスがより情報を手軽に生活を犠牲にしないで取得できるから。
- 歴史を読み解くと、人々が情報をより手軽に、生活を犠牲にしないツールを選択してきた歴史が見えてくる。
- ボイステック革命を起こした要因は①音声テクノロジーの進化、②デバイスの普及、③聴く習慣の広がりの3つ
- 特にデバイス面でのスマートスピーカー、ワイヤレスイヤホンの普及は大きなインパクト
といったことをお伝えしてきました。
詳しくはコチラ!
本日は後編です!!
後編は管理人が個人的に感銘を受けました
- ボイステック市場の魅力
- ボイステック市場の特徴は?
の2点についてご紹介したいと思います。
ではいってみましょう!!
ボイステック市場の魅力
ボイステック市場の魅力は大きく2つの切り口で語れます!!
「消費者の可処分時間」と「魅力あふれるプレイヤーたちの参入」という2つです。
消費者の可処分時間
情報化社会の覇者として、テキスト⇒画像と来て、2021年段階の覇者は動画です!!
これはみなさんもYouTubeなどの動画メディアの隆盛から理解されていると思います。
この動画隆盛時代において、なぜ音声がこれから盛り上がると推測されているのでしょうか。
これは前編でもお伝えした「ながら聴き」効果です。
「ながら聴き」効果に音声は消費者の可処分時間広く押さえられるのです。
動画や画像、テキストはいわゆる目のメディアと言われていて、「ながら」で情報を収集できるメディアではありません。
この本によると、日本人全体の1週間における目のメディアの可処分時間は2.5億時間と推測されています。
対する耳のメディアである音声は「ながら聴き」効果で、日本人全体の1週間の可処分時間は8.9億時間としています。
これだけ動画や画像、テキストと可処分時間差が生まれるのは、やはり「ながら聴き」効果であり、この時間的アドバンテージがボイステック市場が注目されるゆえんです。
魅力あふれるプレイヤーたちの参入
ここではボイステック市場に参入しているプレイヤーたちをご紹介したいと思います!
<動画系>
YouTube⇒YouTube広告
Netflix⇒音声のみモード開始
<GAFAM>
Google⇒Googleポッドキャスト
Amazon
⇒Amazonオーディブル歴5年の管理人が語るオーディブルの素晴らしさ!!
Facebook⇒Live Audio Rooms
Apple⇒Apple MUSIC
Microsoft
⇒Microsoft参加のビジネスSNS「Linkedin」にライブ音声チャット機能追加
⇒Appleの音声アシスタントSiriに基盤技術を提供したNuance Comminicationsを197億ドル(2兆1600億円)で買収。
<SNS系>
Twitter⇒ポッドキャストアプリ「Breaker」を買収。音声チャットルーム「Spaces」をローンチ。
Clubhouse⇒2021年1月に世界中を席巻。
Discord⇒ゲーマー向けの音声通話・チャットサービスのDiscordが「Stage Channels(ステージチャンネル)」という新しい音声チャット用チャンネル開始
<Podcast系>
Spotify⇒音声チャットにSpotifyも参入。新サービスGreenroomをリリース
といった感じで今年に入って軒並みいろいろなプレイヤーが音声機能を拡充しています。
また、この本が出版されたあとで記載がないですが、Slackも音声機能を拡充しています。
Slack⇒Discordのような気軽な音声チャット機能「Huddle」を追加
これだけ魅力的なプレイヤーが「ボイステック市場」に参入してきています。
次の時代の覇権を争っているといっても過言ではないかもしれません。
これからの情報化社会の覇者争いが見られる魅力的な市場。
それがボイステック市場です!
ボイステック市場の特徴は?
ボイステック市場の特徴はたくさんありますが、ここでは管理人が印象に残った2つご紹介したいと思います。
忙しい人こそやるべき
ボイステック市場はウェブサイト上のテキストや画像と同一線上で語られがちです。
確かに似た部分もありますが、異なるところが多いのが実際のところです。
「受信者」「発信者」に分けて違いを分析するとわかりやすいと思います。
「受信者」は繰り返しですが、いつでもどこでも聴けます。
テキストや画像と比べて受信時間の爆発的な増加という違いがあります。
特筆すべきは「発信者」の方です。
「発信者」における音声とテキスト、画像の違いは音声の方が発信者の爆発的な増加が見込まれると点です。
なぜかというと、音声は発信のハードルが圧倒的に低いからです。
過去を紐解くと、テキストによる情報発信黎明期は一部のプロの書き手に限定されていました。
発信するすべは出版社や新聞社が独占していて、受信が簡単な一方で、発信のハードルが異様に高かった。
動画も同じで、動画発信のためには特殊な機材が必要だったし、それを抱えたテレビ局が情報発信を抑えていた。
これをインターネットが一気に民衆化して、テキストはブログで、動画はYouTubeやTikTokで発信できる時代になった。
とはいえ、ブログもYouTubeもTikTokもそれなりに時間がかかります。
私もブログを書いていますが、1記事書くのに結構な時間を使っています。
動画配信も会社で社内向けのコンテンツを自身で出演してやっていますが、これまた結構手間暇かかります。
10分で読めるテキスト、10分の動画コンテンツを作るのにかなり時間をかけてしまいます。
そういった特徴なのかもしれませんが、ブログやYouTuberはその道のプロや時間があるフリーランスの戦場となっています。
一方音声は、非常に手軽に発信できます。
スマホ一台で完結。
ブログみたいに文章を完全理論武装するよりも、思ったことをそのまま届ける価値があります。
動画みたいに編集もそこまで必要ないし、資機材の準備やなんなら見た目とかも気にする必要ありません。
Voicyとか聴いてるとたまに、
- Taxiの中から配信
- 朝の散歩中に配信
- 子供が昼寝してくれたのでその流れで配信
といったゆる~い感じで配信されている方が多いです。
そういった配信の方がパーソナリティの生活のリアリティを感じることが出来て、親近感が湧いたりもします。
このハードルの低さ故に発信者が爆発的に増えることが想定されます。
発信者が増えるということは当然、魅力的なコンテンツも増える傾向になります。
その結果、ボイステック市場全体が盛り上がることにつながると考えられています。
人軸時代のメディア
現代はあらゆる産業においてコモディティ化が起きていて、サービスや商品に差がない時代に突入していると言われています。
サービスや商品に差がないために、売り手は売り方や情報発信で差をつけようと躍起になります。
つまり、サービスや商品力を磨くということよりも、成約率が高まる情報発信をしようという考えをもつ売り手が増えてきたということです。
中にはデータを駆使して、人の購買意欲を刺激するような広告出す売り手が現れます。
消費者はたいして欲しいと思っていないのに、ITの力を駆使して巧みに人の欲求を刺激して欲しいと思わせる表現が増えてきています。
もはや欲求が操作されている感覚に近い印象すら覚えます。
加えてインターネットは、情報発信の民主化を実現しました。
あらゆる人が日々、情報発信し、受信者には玉石混淆の情報の洪水が押し寄せています。
この洪水から、今の受信者は情報を選び出す必要があります。
こうした傾向に多くの人がうんざりし始めている。
正しい情報を見極めるのが難しくて、なにが本当かうそか見分けがつかない。
いや、正解すらないのかもしれない。
そんなときに「正解でもなくていいから自分が納得できる情報が欲しい」という心境に人々がなってきている。
その心境の具体的な表れとして、「あの人がすすめるなら・・・」という人を軸にした意思決定がされる時代になってきていると本書は主張しています。
そして、音声がこういった時代にベストマッチするメディアであると。
音声は本人性が現れやすいメディアで、声から感情や心の動きが出やすく、本人の人となりが出るからです。
画像や動画だと視覚情報から人となりを違ったように見せることが出来ますが、声はそういった脚色はなかなか難しいです。
音声は等身大の人柄から出やすいので、安心して、「あの人が言うなら・・・」といった感じで情報の取捨選択が出来ます。
まさに音声は時代の流れにマッチしたメディアだと言えますね。
おわりに
いかがだったでしょうか?
本日は、
- 音声の可分時間はながら聴き効果により、動画や画像、テキストより圧倒的に多い。
- 世界的にさまざまな企業が音声事業に参入してきて、魅力あるサービスが日々ローンチされている
- 動画や画像、テキストと比べて発信のハードルが低いので、忙しい人でもやれる。それにより多くの
- 発信者が生まれ、コンテンツがたくさんあふれることが想定できる。
- 情報の取捨選択や購買意欲が「人」を軸としてきた時代において、音声の人柄が出る特徴がマッチしている。
という話をしてまいりました。
ボイステック革命、かなり読み応えのある良書です。
ご紹介した内容以外にも多くの学びがある一冊ですので、ぜひ書店でお買い求めになってみてはいかがでしょうか?
またAmazonの音声サービス「Audible」に関する記事はこちらです!
本日は以上です!
では、また!