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(要約)超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図  著:椿 進 ~後編~

こんにちわ。

本ブログの管理人のRRです。

本日は椿進さんの「超加速経済アフリカ」の本要約後編です。

前編では、

  1. 世界地図で見るアフリカ大陸はちょっと小さくなっている。実際はすごく大きい大陸
  2. 生産年齢人口と経済のピークが一致することがデータ的に証明されている。その視点でいくと、これからの時代は中国⇒インドと来て、アフリカにうつる。
  3. アフリカはスマホが爆発的に増加していて、既存の仕組みと勢力が少ない分、モバイルペイメントなどスマホにもとづく最新のテクノロジーがスムーズに導入される。
  4. ケニアのナイロビに巨大なショッピングモールが出来るほど発展を遂げている。

という4点についてお話しました。

後編では、

  • 管理人的!アフリカの先端技術3選
  • アフリカにおける日本企業の戦略とアフリカへの進出4パターン

という内容でお送りします!
では、いってみましょう!

管理人的!!アフリカの先端技術3選!

本書ではアフリカに入っている最先端技術が数多く紹介されています。

その中でも管理人がささった3つを本記事ではご紹介したいと思います!!

ドローンで血液を15分で配送

サンフランシスコの企業で、ドローンの商用物流サービスをルワンダとガーナで行っている企業があります。

Ziplineという企業です。

こちらの企業は、ドローンデリバリーの会社です。

ルワンダとガーナで血液や医薬品などを主に運んでいます。

こちらの会社のドローンですが、みなさんが思うタケコプターみたいなドローンではなく、

「これは飛行機なんじゃない?」

と思いたくなるドローンです。

固定翼型というらしいです。

これにより天候の影響が少なく安定したフライト数が確保できるそうです。

それでいて、速く飛行ができ、かつ、ある程度の荷物も運べるそうです。

  • 1日200フライトの商用物流!
  • スピードは最高時速80km!
  • 約1.8kmまでの製品を一度に配送可能!

という優れもの!!

しかもドローン専用空港がルワンダに2カ所、ガーナに4カ所あるそうです!

こちらの空港から発射台で飛び出したあとは、自動で飛んで帰ってくるらしいです。

「どうやって荷物受け取るの?」

という疑問が浮かびますが、パラシュートで血液や医薬品を落とすみたいです。

おもしろいですよね!

 

アフリカだと、すべての病院に血液や医薬品を十分にストックしておけるような設備が整っていません。

そのため、血液や医薬品を十分にストックできる場所から絶えず各病院に必要な分を補充する必要があります。

しかし、道の舗装が不完全なエリアが多く、陸路だと安定しません。

そこで、このZipline社のドローンが活用されているみたいです。

現状ではアフリカの輸血機会の半分しか提供できていないそうです。

そのため、出血多量で亡くなってしまう方がまだ一定数いらっしゃいます。

そういった方々を救うために、大車輪の活躍をしているのがZiplineのサービスです。

ドローンベンチャーは世界中にたくさんありますが、Ziplineは最も時価総額が高いそうで、すでに約15億ドルの価値がついているそうです。

驚異の決済システム「M-PESA」

日本のモバイルマネーの浸透が遅れているのは有名です。

中国だけでなく、アメリカとも、そして、アフリカと比較しても遅れています!

例えばケニアでは人口の7割、成人の9割以上がモバイルマネーを使っているそうです。

すごい割合ですよね!

ただ、アフリカのモバイルマネーは日本のそれとすこし毛色が違うみたいです。

前提として、アフリカのケータイの98%はプリペイド方式ということです。

住環境、金額面などで後払い方式では通話料が回収できないからです。

そのため、まず端末を購入した人は、プリペイドで通話料をチャージしてから利用することになります。

このチャージした通話料を「他人に送れて、現金に払い戻せる」ことができます!

これがM-PESAというサービスです。

詳しくはリンクをチェックしてください!

 

4000万人が使うアフリカのモバイル決済「M-Pesa」が成長を加速

「M-PESA」を運営するsafaricom社のホームページ

 

M-PESAには6桁の番号が振られています。

送金するときは相手のM-PESAの番号を聞いて、自分のケータイから相手の番号に送金処理するだけで完了します。

アフリカではとても浸透しているM-PESA。

年間の取引額は4兆5,000億円。

この金額は、

  • ケニアのGDPの約半分弱!
  • ケニアの全銀行の年間取引額の約2倍!!

にあたります。

都市部にいるホームレスの人たちですら

「HELP ME!」というプレートにM-PESAの番号を大きく書く。

そのくらい深くM-PESAが根付いているそうです。

M-PESAでフルバンキングサービスが実現

フルバンキングサービスとは、銀行が有する「送金」「決済」「預金」「ローン」のサービスのことを指します。

このフルバンキングサービスが銀行でないM-PESAがすでに実現しています。

なので、銀行口座がいりません。

中国のアリペイでさえも銀行口座がないと開設できません。

決済の時は都度QRコードを読み取る必要もあります。

ところがM-PESAは携帯さえあればOKです。

銀行口座もQRコードも必要ありません。

アフリカが世界のモバイルマネー業界の先頭集団を突き進んでいます。

なぜ、こんなに最先端技術が導入出来ているのか?

その理由として、アフリカにはレガシーが少ないからと言われています。

既存インフラ、既得権益者、岩盤規制がない分、先進技術が一気に浸透しやすいんですね。

ケニアの通信キャリア「サファリコムの時価総額」

このM-PESAを運営しているサファリコムの時価総額ですが、2021年1月時点で約1.5兆円だそうです。

この時価総額を2021年7月段階での日本企業の時価総額ランキングに入れてみると、

98位 (株)バンダイナムコホールディングス 1,63兆円
99位 積水ハウス(株)  1,59兆円
100位 味の素(株) 1,58兆円
101位 NEC 1,56兆円
102位 (株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 1,55兆円
103位 (株)マキタ 1,55兆円

というこのあたりの企業と同等の時価総額となります。

みなさま、これを受けて、どうでしょうか?

アフリカの印象、だいぶ変わったんじゃないでしょうか?

ちなみに99位の味の素は、西アフリカで大きく成功している企業らしいです。

成功している商品はもちろん「味の素」です。

西アフリカはスープ文化らしいので、味の素が現地の人に大ウケしているらしいです。

遠隔診断/AI診断サービス

アフリカのルワンダではAIで患者を診断するサービスが浸透してます。

このサービスを展開しているのはイギリスのbabylonという会社です。

このサービスの流れは次の通りです。

  • 具合が悪くなったらAIのチャットボットで症状を入力
  • AIが初期診断して返答
  • 解決できない場合、ナースが対応
  • それでも難しい場合はドクターが出てきて遠隔で診断

という流れです。

アフリカでは2019年段階だとチャットボットのハードルが高かったようで、地域のナースなどのコールセンターと連携してサービスを展開しているみたいです。

一般薬はコールセンターのナースで対応しつつ、医療向けの処方薬の場合はドクターが処方します。
処方箋は電子的に発行して、お近くの薬局で薬をもらう流れです。

1回200ルワンダフラン。

日本円で20円程度でこのサービスが受けられます。

コールセンターには1日あたり2000コールあり、都度病院を紹介していたらしいのですが、このサービスによって83%は遠隔診断で終了したらしいです。

つまり100人病院いっていたのでが、17人まで病院に行く人を減らすことが出来、大きく医療の効率化につながったそうです。

今後、このノウハウが先進国につながっていくだろうとの予測からbabylonに投資が集まり、babylonは2020年にユニコーン企業になっています。

とはいえ、

「なんでイギリスの会社がアフリカでそんなサービスを展開しているんだ?」

「イギリスって遠隔診断とかやってるんだっけ?」

と疑問を持つ人も多いと思います。

その答えも本書に書かれていて、近年先進国のベンチャー界で流行っているモデルがその要因と述べられています。

どういうことかというと、研究開発は先進国で行い、サービスの最初はアフリカで行うというモデルです。

理由は簡単で既存勢力がないので、しがらみが少なく先進のサービスがすぐに提供できるからです。

この理論、たいぶ腹落ちできるというか日本で診療なくしますっていったら医師会とかそのあたりがえらい剣幕で怒りそうなのが容易に想像がつきますもんね。。。

アフリカにおける日本企業の戦略とアフリカ進出4パターン

上で述べてきた通り、アフリカには最先端技術がたくさん導入されていて、世界の様々な企業が参入してきています。

だいぶ乗り遅れ気味の日本ですが、この本ではそんな日本企業はこうあるべきということも提示してくれています。

その戦略というのが、

「あたりまえのことをあたりまえにする」

ことに注力するということです。

アフリカではまだまだ先進国におけるあたりまえがない状態です。

特にテクノロジーで代替できない”人”が行うサービスや作業においてまだまだのびしろがあるそうです。

レストランビジネスを例に具体的に言うと、

  • 笑顔での接客
  • 早く注文を出す
  • ルールを守って作業をする
  • そういった仕事をするスタッフをマネジメントする

といった部分です。

こういった開発途上国における「あたりまえじゃないこと」を、「あたりまえ」にしていくことは価値があります。

かつての日本は、1960年代からこつこつと人材教育をして「あたりまえじゃないこと」「あたりまえ」にしてきました。

その積み重ねで、先進国の仲間入りをした過去があります。

この過去の人材教育の経験を再度見つめ直し、その知見をさまざまなビジネスでアフリカに応用する。

そうすることで、日本企業はまだまだ勝負できると本書は述べています。

アフリカ進出の4パターン

本書ではアフリカへの進出パターンを4つ提示してくれています。

この4パターンのモデルで「あたりまえじゃない」ことを見つけ、「あたりまえ」にしていくことが、

アフリカで日本企業に求められていることだと本書は述べています。

そして、それを実現するためにも、まずは新型コロナが終息したらアフリカに訪れることを推奨されています。

私も本書を読んで、アフリカ旅行、ぜひ実行したいと強く思っています。

てことで、会社の海外視察制度の申し込みフォームの打ち込みに今から取り組みます!

おわりに

いかがだったでしょうか?

本日は、

  • アフリカには最先端技術が集まってきている。
  • 先進国のベンチャーは既存勢力の少ないアフリカで自分たちの先進的なビジネスを実験しようと参入を増やしている。
  • 日本企業は「あたりまえじゃない」ことを「あたりまえ」にする人材教育を通して、先進国の仲間入りをした。その知見をアフリカでも応用すべき。
  • アフリカの「あたりまえじゃない」部分を知るべく、まずは現地に向かおう!

という話をしてきました。

「超加速経済アフリカ」

いかがだったでしょうか?

私は2021年でいまのところ一番の衝撃の一冊です。

2019年に読んだアフターデジタルで中国の最先端技術に驚いたときの同じ感覚を持っています。

近い将来、アフリカが世界の中心になる予感をばしばし感じながら本記事を締めたいと思います。

本日は以上です!

では、また!!

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