これから”起業”をしようとする人が絶対に読むべき本として、「起業の科学」が有名ですが、これから”社内起業”しようとする人は間違いなく本書が絶対に読むべき本に該当します。
- アントレプレナー⇒起業の科学
- イントレプレナー⇒新規事業の実践論
と棲み分けができると本書を読んで感じました。
そのくらい我々、サラリーマンに寄り添って新規事業開発というものの多くが語られています。
具体的には、新規事業開発においての社内調整や役員決裁に対する臨み方をわかりやすく解説してくれています。
新規事業開発室においてアイデア出し、事業作りの話に関する本は多いですが、こういう社内起業向けに体系立てられた書籍はなかなかめずらしいです!!
そんな素晴らしい本ですが、私的にささった内容を3つご紹介したいと思います!!
①優秀な人ほどやってしまう間違った新規事業開発の手法
既存事業で優秀と言われている人ほど、新規事業開発において間違った打ち手をしちゃうそうです。
具体的に言うと、社内・上司・先輩・競合に対して、確認・事例・調査・会議・資料作成をするという打ち手です。
なにひとつとして、間違ってなさそうに思えますが、新規事業開発においてはこれは悪手です。
けして、意味がないわけではないんですが、それ以上にやらなければならないことがあるという意味で悪手にあたります。
では、新規事業開発においてなにをすべきかというと、
「顧客に仮説を持っていき、修正するサイクル」
を高速でひたすら回すべきというのが本書の主張です。
しかもそのサイクルはさっき言った社内・上司・先輩・競合に対する確認・事例・調査・会議・資料作成という要素を一切入れるなと言っています。
顧客の反応がすべてであり、社内や上司、競合の要素を入れると顧客の本来のニーズや課題がぶれるからです。
商品・サービスを買うのは顧客であり、徹底的に顧客のことを考えて打ち手でを考えるべきだと。
なので、既存事業で優秀という評価を受ける進め方とは違うということを認識しました。
とはいえ、自分は優秀タイプの人間ではないので、話としては関係ないなと。
「社内・上司・先輩・競合に対する確認・事例・調査・会議・資料作成なんか一切やってね~な~、なるほどね~だからか~」と自分の現状にすごく納得もできましたww
顧客のところへ300回行け
あくまで著者の肌感覚であるらしいのですが、ユーザーインタビュー(顧客に仮説ぶつけにいく)は300回やって、初めて新規事業が生まれるとのことです。
300回・・・。
気持ちいいですね。
新規事業を創るにはそんなにやらなきゃいけないんですね。。。
「300!?、3,000の間違いじゃねえのか?」と逆に強がりたくなります。
まあ、数を示してくれたので、俄然わかりやすくなったという見方もできます!
リーンキャンバスを作り終わったら、ユーザーインタビューをやりまくったろうという気分になった話でした。
ゲンバとホンバでコップを満たせ
社内起業家としての使命感を持つために”ゲンバ”(現場)と”ホンバ”(本場)に触れろと本書は言っています。
ここでいう現場とは、「課題の根深い場所」という定義で、具体的に言うと、極端な例ですが、被災地ボランティアの現場とかがあたります。
(実際に最近の起業家の多くが東日本大震災に対して、なにかしらの関わりを持っているらしいです。)
次に、ここでいう”本場”とは「新規事業開発の最前線」のことを指します。それはシリコンバレーや中国の深センもそうですし、東京のメガベンチャー企業などの新しいビジネスが日夜生まている場所、また、そういったところで働いている人々を指します。
新規事業開発とか社内起業にやる気がない人も”ゲンバ”と”ホンバ”に触れると大きく価値観が変わると著者は言っています。
実際に著者の方も、もともと新規事業なんかやる気もなかったし、始めたきっかけも社内提案制度の商品が欲しかっただけ。
使命感もへったくれもなかったそうです。
が、その商品目当てで始めた社内提案があれよあれよと前に進んでいく中で”ゲンバ”と”ホンバ”に触れて、起業家としてのマインドセットが身についていったそうです。
また、独立して新規事業開発の伴走支援の仕事を始めて、社内起業家候補生たちを支援し始めたときも”ゲンバ”と”ホンバ”に触れて、使命感を持ち、変わっていく人たちを数多くみてきたそうです。
まるでコップの水があふれんがごとく、突如覚醒するんだとか。
私も”ゲンバ”と”ホンバ”で積極的に触れて、新規事業開発へのガソリンを注入せなあかんな~と改めて気づかせてくれた話でした。
以上、この本で私がささった
①優秀な人ほどやってしまう間違った新規事業開発の手法
②顧客のところへ300回行け
③ゲンバとホンバでコップを満たせ
というトピック3点でした!!