みなさん、こんにちわ!
本日はアウトドアブランドの「Snow Peak」さんの展示会にご招待いただきまして、先日新潟まで行ってきたのでそのレポートをしたいと思います。
ちなみにみなさん、snow peakというブランドをご存じでしょうか?
<スノーピーク>
https://www.snowpeak.co.jp/
キャンプする方やアウトドアが好きな方ならご存じの方、多いと思います。
アウトドア界のハイブランド、snow peakさん。
展示会から垣間見える彼らの事業展開がノリノリ過ぎていや~すごいな~と思ったのと、
彼らがまさに今、流行のあれを体現している経営をしているなと心底感心しましたので、今日はその話をしたいなと思います!
では、いってみましょう!!
新潟がお膝元のsnow peakさん
今回の展示会の会場がsnow peakさんの新潟県三条市にあるsnow peak本社でした。
JR大宮駅からJR燕三条駅まで新幹線に揺られ、そこから再びバスに揺られて1時間という片道3時間以上かけてのコースでした。
正直、どんだけ田舎に連れて行くんだよと思いたくなるくらい遠いんですが、スノーピークさんの関係者がごっそり集まる一大イベントとなっており、彼らの勢いを如実に表しているなという印象を持ちましたね。
本社社屋の横にある広大な敷地のsnow peakのキャンプ場に展示ブースがならんでいたんですが、ここがまあ、かっこいいんです!!
展示場には講演会場もあり、小泉進次郎環境大臣や建築家の隈研吾さんも講演されていました。
一社限定の展示会でここまでの人を呼べるなんてなかなかです!!
勢いがあります!!
会場にはスノーピークのタープの下にテーブルがならべられているフリースペースがありました。
ビジネスマンへの粋なはからいなのか、その大自然の中、仕事やオンライン会議もこなすこともできました。
snow peak展示会の目玉発表
今回の展示会の目的としては、snowpeakさんの一大新規事業のお披露目がありました!
それが、新潟県三条市本社横に複合型リゾートを建設するという発表です!
https://www.snowpeak.co.jp/news/p20210708-1/
ぜひ、リンクに飛んでみてほしいのですが、隈研吾氏の建築で温浴施設を中心とした複合型リゾートで2022年の春開業予定とのことです。
そのために、下の写真の左側のあまり手つかずの土地を新たに15万坪買い取ったみたいです!!
これ聞いてみなさん、「へ~」だと思うんですが、実際に現場に行くと、よくこんな場所にそんな馬鹿でかい投資するな~と思ってしまいます。
ですが、ここがsnow peakさんのすごいところです!!!
キャンプ道具という一つのプロダクトから派生して、
なにもない田舎に自らブランドの世界観を表すキャンプ場を作り、
そこに来場する人の流れを自ら作って、
そこの人の流れが大きく伸びてきたので、
新しい価値をさらに提供しようということで、
複合型リゾートの建設に結びつけたわけです。
立地で勝負というより、なにもないところにブランドのプロダクトや世界観で人を呼び寄せる流れを作る。
この手法はビジネスマンとして学ばせていただく部分が多いな~と腹の底から感心しました!!
D2Cのお手本的経営
本記事の冒頭で、私がお伝えした、彼らが今、流行のあれをやってるというのは「D2C」のことです。
みなさん、「D2C」についてご存じでしょうか?
コチラの本が読みやすくて素敵です。
D2Cの意味としては、この本をぜひ読んで欲しいです!!
とはいえ、それだと時間もかかると思いますので、D2Cについて私なりの定義をお伝えします!
D2Cとは、
- デジタルと
- ブランドの世界観を下地に、
- 顧客と直接コミュニケーション・直接販売し、
- 主にミレニアル世代(1981年以降に生まれ、2000年以降に成人を迎えた世代のこと。)の顧客を対象とし、
- 顧客をお客様として捉えるのではなく、コミュニティの仲間として位置づけて、
- 商品ではなく、ライフスタイルを販売する
という考えで事業展開するブランドを指します。
これだけだと、「??」となると思うので、今回の展示会を事例として1つずつ解説していきます!!
D2Cの特徴①デジタルを駆使した運営
D2Cの基本的スペックとして、デジタルを駆使した運営があります。
特にデジタルを活用した顧客情報の収集は必須能力です。
- 来店履歴
- 購入単価
- ECサイト訪問回数
- ECサイト購入単価
- 顧客の個人情報
など顧客との接点をデジタル化することで、あらゆる情報を収集できるような組織体制を作っています。
そこで得た情報をもとにサービスや商品を随時改善していくことがD2C企業のポイント1つです。
Snow Peakの場合
Snow Peakさんもかなりデジタルにはこだわっていらっしゃるようで、各展示に立ち寄る度に来場をQRコードで管理されていました。
販売においても2016年という早い段階から、OMOを見越して販売チャネルの購買データをもとに顧客の動向を分析するということをしていたようです。
【OMOについてはコチラ】
D2Cの特徴②ブランドの世界観を下地
ブランドがもつステートメント(理念や使命)をすごく大事にします。
顧客がそのステートメントに共感することで、繰り返しサービスを使ってくれると考えているからです。
なので、そのステートメントを実現するためには、ひとつの事業にとらわれないという考え方もします。(後述)
Snow Peakの場合
⇒snow peakさんは
「人間性の回復が出来る体験」
「この惑星の未来の”NOASOBI”を」
「衣食住働遊」
「スノーピークを地球上で唯一無二の企業へ」
「絆の循環」
といったようなビジョナリーなステートメントがプロダクトごとに随所に定義されています。
この世界観に共感し、多くのファンがついています。
D2Cの特徴③顧客と直接コミュニケーション・直接販売
SNSや自社のオウンドメディア(ブログや雑誌など)を使って顧客へ世界観や情報を発信します。
SNS上でのコミュニケーションも積極的に行います。
問屋や代理店を介さず、直接顧客とつながりコミュニケーションして、サービスを提供します。
こうすることで、中間に入る事業者が減る分安価で良い商品を届けられるようになります。
Snow Peakの場合
THE SNOW PEAK WAYというオウンドメディアを運営されています。
自社のECも充実しています。
加えて、自社のコンセプトショップも数多く展開しており、顧客に問屋を介さず直接販売・コミュニケーションを積極的に行っています。
D2Cの特徴④主にミレニアル世代を対象
ミレニアル世代の特徴として、
- 情報リテラシーが高い
- 物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを求める
- 仲間とのつながりを大事にする
- より社会貢献性の高い仕事に興味がある
の4点であると言われています。
彼らの特性を理解した世界観やメディア戦略、商品開発を行います。
Snow Peakの場合
⇒ホームページからもわかると思いますが、snow peakさんは実際にコミュニティを作ったり、商品作りにおいて環境を大事にしたり、物質的と言うよりむしろ精神的な充足を得られるような訴求をしていますよね!
このへんの訴求の仕方もミレニアル世代を意識しているといっていいかもしれません!!
ミレニアル世代とは
D2Cの特徴⑤顧客をコミュニティの仲間として位置づける
ブランドという共通言語を持った仲間が集まるコミュニティを作り、従業員やユーザーという立場を超えて、関わりをもちます。
顧客というより、仲間の人生をサポート・支援するような関わり方です。
購買体験という一時の体験ではなく、顧客の人生に寄り添うな事業展開を行うことがD2Cの特徴です。
Snow Peakの場合
Snow Peakさんは、従業員と顧客が一緒にキャンプをして、たき火しながら語り合うイベントを定期的に開催しています。
顧客と従業員という立場から、キャンプ仲間という関係性を構築しています。
この関係性によって、ロイヤリティが高い顧客が多く生まれる仕組みです。
D2Cの特徴⑥商品ではなく、ライフスタイルを販売する
昔のメーカーみたいにワンプロダクトを専門的に売るというよりも、ステートメントに基づく世界観を体現したライフスタイルを販売します。
一見、ただの多角経営に見えるときもあるのですが、そうではなく、企業のステートメントに基づいた事業展開をすることは姿勢として忘れません。
Snow Peakの場合
こちらもキャンプで培った世界観やマインドをあらゆる事業に落とし込んでサービスを展開されています。
野遊びという言葉を使っています。
住宅事業やアパレル、家具、オフィス、空間プロデュース、地方創生などあらゆるサービスが野遊びから派生している商品展開になっています。
ブランドとして一貫性があり、かつ、独自のサービスになっているので、とても魅力的です。
ただのキャンプメーカーとして商品を売るだけでなく、顧客にライフスタイルを売っているイメージが伝わってきます。
おわりに
ここまで愚直にD2Cを体現されているなんて、アッパレの一言です!
こういうのってなかなか徹底して企業一丸となってやりきれないもんですよね。
この徹底ぶりがすばらしいの一言につきます。
このD2Cのサービス展開手法はいろいろなビジネスに応用ができると思います。
自分の会社の事業に今回のsnow peakさんのやり方を取り入れられないか?
そんなことを考えながら上越新幹線に揺られて、この記事を書きつつ家路につきました。
すごく学びが多かったsnow peakの展示会。
皆さんにも上手くシェア出来てたらうれしいです!!
では、また!